本書は、学習・言語心理学の入門的な教科書です。公認心理師カリキュラムを参照しながら、著者がそれぞれ専門とする学習心理学と言語心理学の領域全体に照らして、初学者が把握すべき事柄を厳選しています。また、科学的道筋を自分で考えられるよう、実験的根拠とともに、できるだけ具体的に平易な表現で説明しました。初めて学ぶ方から心理職を目指す方まで、おすすめの一冊です。
研究者に焦点を絞った認知言語学の概説書。著者お得意のメタファー論はもとより、メトニミー、カテゴリー論、イメージ・スキーマ論、多義論、フレーム意味論、構文文法、虚構移動、力動理論、移動の類型論、捉え方、ベースとプロファイル、認知文法、スキーマとプロトタイプ、メンタルスペース、融合理論と盛りだくさんの内容になっている。取り上げる著者は、レイコフ&ジョンソン、フィルモア、ラネカーら7人。
20世紀を代表する言語学者の主著の一冊。ソシュールの歴史的意味、“構造”とは、能動態と中動態、語彙における贈与と交換など、21篇。
本書は、統語論、音声学・音韻論、形態論、意味論・語用論の各分野におけるインターフェイスをテーマとする4巻シリーズの第2巻である。音声学や音韻論が関与する言語現象はごく身近なところに多く存在しており、本巻で取り扱うテーマも英語史、野球の応援歌、役者の台詞、絵本、子どものスピーチエラー、ディスレクシアと幅広い。各分野の最新の成果や理論的発展をわかりやすく解説した研究書兼概説書となることを目指した。
言語学の基本知識を持たない、手話言語学の基本を勉強したい、ろう者と聴者の方に送る手話言語学の入門書。
日常生活の必需品であり、知性や芸術の源である言語。なぜヒトはことばを持つのか?子どもはいかにしてことばを覚えるのか?巨大システムの言語の起源とは?ヒトとAIや動物の違いは?言語の本質を問うことは、人間とは何かを考えることである。鍵は、オノマトペと、アブダクション(仮説形成)推論という人間特有の学ぶ力だ。認知科学者と言語学者が力を合わせ、言語の誕生と進化の謎を紐解き、ヒトの根源に迫る。
本書は、認知科学や神経心理学を含む広い視野から認知言語学の発展に貢献されてきた辻幸夫先生が慶應義塾大学の定年を迎えるにあたり「認知言語学の未来」を見据えて編まれた記念論文集である。認知言語学が持つ学際性を活かし、構文研究や意味分析、比喩研究、社会言語学的考察、神経心理学的研究、哲学的アプローチ、言語発達・言語獲得・言語教育、理論的枠組みに関するものなど33本の論文が収められている。