本書は、交通事故に関する民事判決を網羅的に調査し、それらのうち、学問上又は実務上意義があるものを選択して収録する。各判決の冒頭に、判示事項ごとに簡潔な要旨を掲げ、また、検索の便に資するため索引事項を掲げる。
「交通事故民事裁判例集」の第29巻第1号から第6号までに登載した判決を対象にした索引及び解説。索引編は「事項索引」、「被害者類型索引」、「判決月日・要旨索引」、「裁判所別索引」、「当事者名索引」、「後遺障害の部位・等級別索引」からなる。解説編は、学問上・実務上特に意義があると考えられる判決の中からいくつかを選んで、解説を付したもの。
本書は法と経済学研究の包括的な概観ではなく、方法論に力点を置きながら法の核心領域について詳細に検討したものである。とくに、契約法、財産法などの伝統的なコモン・ローにおけるトピックスを分析し、訴訟-和解決定に関する問題(たとえば、裁判上の紛争の選択、効率性への法の進化、言いがかり訴訟など)を検討している。テクニカルな分析(初等代数と初等解析による)の部分にページを割き、同時に、分析結果について直観的説明をおこない、また、基礎的概念を実際の事件例に使っている。
この世の中、ゴミだけは山のように出る。こいつだけは不況に関わりなく待ったなしだ。ダンプを転がし産業廃棄物をいかに安く捨てられるか。規制の網をかいくぐり、才覚一つで膨大な利鞘が稼げるゴミ屋稼業は魅力的な商売だ。勢いこんで商売を始めた啓輔だったが、産廃を巡る日本の現状は目を覆わんばかりの無法地帯だった。手探りで仕事をこなすうち、取引先の異常な警戒ぶりに疑問を抱く。何かある。巻き添えを食らうのはごめんだと、追求を開始した矢先、運転手が大事故を引き起こした!絶妙のタイミングに、策謀の臭いは強まる。産廃という巨大な利権産業の裏に隠された、恐るべきカラクリとは。
不法行為の分野は、法の諸分野の中で、実際的な解決方法、具体的妥当性が、とくに重んじられるべき分野である。本書では、第一部に、理論上および解釈上の問題を論じたものを、第二部では、自動車、原子力等による責任に関する新らしい立法について論じたものを、第三部では、損害賠償の範囲と金額について具体的に論じたものを収めた。
一連の論稿で目的としたのは、第一に、総論的な視点から、裁判例の積上げの中で次第に姿を現してきた紛争解決の法的枠組みを明らかにし、理論的に整理しつつ、この種紛争の実態に即した柔軟な解釈・運用を可能にすることである。併せて、類似の紛争、連続する問題、隣接の領域も視野に入れ、できればこれらに応用できるよう発展させていくことである。目的の第二は、投資商品ごとにその特性をきちんと把握したうえで、法律上の要件へのあてはめについて説得力のある論理を構築することである。第三に、このような作業を通じて思考過程をできるだけ客観化・透明化し、法律家に限らず、平均的な経済的・社会的知識と一定の能力を有する通常人が、その常識をもって共通の土台の上で議論することを可能にすることである。
本書において訳出された論文および単行書は、フォン・ケメラー博士提唱の・いわゆる規範目的説ないし違法性連関論をめぐるものである。
本書は、交通事故に関する民事判決を網羅的に調査し、それらのうち、学問上又は実務上意義があるものを選択して収録する。
本号は、第30巻第1号から第6号までに登載した判決を対象にする。索引編及び解説編に大別し、解説編は、学問上・実務上特に意義があると考えられる判決の中からいくつかを選んで、解説を付したものである。
交通事故に関する民事判決を網羅的に調査し、学問上又は実務上意義があるものを選択して収録。
初版刊行以来、約4年半の期間が経過した。この間の不法行為法分野における判例や学説の動きには大きなものがある。数多くの重要な裁判例があらわれており、関連する著書・論文も多数に上っている。今回の改訂の主要な目的はこれらの判例・学説の動きを取り入れて内容をアップトゥデートなものにすることにある。また、この間、成年後見制度導入に関わる民法改正(不法行為に関しては民法713条の文言修正)や1996年の民事訴訟法の改正(不法行為法にとっては248条が重要)等もあった。これらも関連する部分については言及した。さらに、民法724条後段の不法行為に基づく損害賠償請求権の存続期間制限(いわゆる除斥期間)については、新しい判例やそれを契機とする学説の展開を踏まえて、初版の内容を大幅に書き改めた。あわせて、より読みやすいものとするための改善をはかった。