本全集は、求龍堂創業70周年を記念して刊行されたものである。世界の古代から現代に至るまでのガラス美術を体系的に集大成した。
タヒチの碧い海。桜庭高志は、黒真球を採る少年瑞紀に出会った。「彼は、海に愛されているんだよ」-。そう、まさしくミズキは人魚のように泳ぎ、水と戯れた。ミズキに魅せられてゆく高志。海の色を映す瞳が、しなやかな肢体が、愛おしくてたまらない…。ミズキも高志に惹かれ、真珠母貝に語りかける。「僕は高志が好きだよ」。心ふるえるラブロマンス。
本書では、日常生活に見られる現象のうち、衣・食に関連のある事項を中心に26項目を取り上げ、身の回りにある道具を使って実験し、諸現象の原理・原則を理解する形式で書いてあります。
日本官憲が葬った「抗日派」文人たち、革命政権が消し去った「親日派」文人たち-変貌いちじるしい「古都」北京への往来の間に、歴史の狭間に埋もれゆく文学的真実を激しく甦らせる。
大坂の武家屋敷の仲間、のんびり屋の貝殻一平。ある人物と人相はもちろん、ホクロの位置までそっくりという奇縁が彼の人生を大きく変えた。その人物とは、新撰組につけ狙われる志士・沢井転。かくて、一平の身に思いもかけぬ白刃が襲いかかる。飛騨谷一万石を賭けた藩主の遺児探索騒動もからみ、物語はなおもスリリングに展開していく。吉川文学の特色であるあたたかい眼が行間に溢れる出色の時代長編。
時は幕末、世は日増しに物情騒然。幕府の秘密をさぐり出し京へ逃げ帰ろうとする公卿の娘、執拗に追う同心や旗本、娘をひそかに助ける謎の浪人。そんな騒ぎをよそに、好きな女との行く末ばかりで頭がいっぱいの若者がいた。本編の主人公・貝殻一平である。しかし時代の激しいうねりは、彼に呑気な生き方を許してはくれなかった…。全編にみなぎる巨匠の着想の妙と鮮やかな物語の魅力。
1920年〜1930年代、すでに銀幕にも舞台にも出没していたアルトーは、現実に直に接続した世界を観客に与えるべく、映画『貝殻と牧師』を手がけ、「アルフレッド・ジャリ劇場」を創設し。今日的な感性にも通用する映画・演劇論を語るー。映画シナリオ・舞台のための作品も収録。
例えば、太平洋を回遊するザトウクジラ。オスは繁殖期になると、メロディアスな“恋歌”をうたってメスに求愛する。ミツバチは、蜜のありかの方角、距離をダンスを踊ることで、みごとに仲間に知らせる。想いを伝え、情報を交換し合うための動物たちの奇想天外なコミュニケーションの数々。
貝殻の色と形の不思議、カエルの変態、貪欲な魔術師ヘビ、クモの巣の幾何学…身近な生き物たちの神秘にせまる動物文学の古典。
魔法つかいのいうとおり、ドアをあけたら不思議な世界。そして真由美はプリンセス。
あの日、おじいちゃんのようすは変だった。見知らぬ女の人の写真と手紙をじっと見つめていたのだ。(おじいちゃん、その人、だれ?)ふりそで姿の美しいその人は、おじいちゃんのむかしの恋人?それとも…。
コンピュータからとびだした、なぞの悪魔ダイマ。はたして、いいやつか、わるいやつか????。ちび悪魔ダイマが、じゅもんをとなえると、きっと、なにかがおきるんだ。
青空のような未来はあるのか?敗戦、そして中国からの引き揚げ。あの夏を過ぎ、崩壊した価値と秩序の中で始まる、少年の新しい生。終戦直後の青春を描く自伝的長編。
ガラスの起源から現代欧米・日本のガラス工芸の現況までガラス工芸の全歴史を、克明かつ平易な解説+340点余のカラー図版と、ガラスの成形・装飾技法+ガラス工芸史年表+用語解説など充実した資料とにより、はじめてコンパクトな一冊にまとめる。世界と日本のガラスの勉強・鑑賞に最適・必携のハンディで活用しやすいガラス入門・案内書。
維新の嵐、その片隅でそれなりの役割を勤める、どこかおどけた好漢ふたり。日本人のこころを洗うこの一冊。愛とは、幸福とは、人間とは、歴史とは何か。
沢井転と一平。二人を結ぶ不思議な縁。天誅組の義挙と新撰組の剣風の中で、因縁の二人は、どこへ流れてゆくのか…。日本人のこころを洗うこの一冊。愛とは、幸福とは、人間とは、歴史とは何か。