ハイリスク新生児の医療や看護が各地のNICUで定着する一方で、今、正常新生児とその母親へのケアや援助を再検討しようとする気運が高まっている。本書ではまず、「正常」であるがゆえに、どこか無批判に行われがちなルチーンやケアの一つ一つを、出生直後(分娩室)から退院までを通して見直してみることを目的とした。ここでは、出生直後からの母子同室や母乳育児についても触れ、その正しいサポートの方法を提示したい。後半はプレネイタルビジットを含めて、主に“エモーショナルサポート”と“育児支援”をキーワードに構成した。
いま明らかにされる人間魚雷「回天」の真実!元・学徒隊員、鎮魂の記録。
本書は、看護職が今後習得すべき対象把握の視点、つまり人々の生活、家族および健康レベルをとらえる視点について述べた。さらに、これらの視点をふまえつつ、対象把握からケア計画の立案と実施・評価までの一連の看護過程のあり方を事例を通して具体的に示した。
本書は、変化しつつある看護に対して「もっと変革に目を向けるべきである」ことのメッセージを送ると共に、過去数年にわたって済生会山口総合病院全体で取り組んできた改革、特に退院計画について紹介する。
大兵力を投入して日本軍を迎え撃つ英印軍との血みどろの戦いの渦中で、つねに諦めることなく、豪胆機敏、火のごとく強敵中を駆けぬけた歴戦の苦強者が描く感動の重機関銃中隊奪戦記。人跡未踏のビルマ戦場“死の山脈”でくりひろげられた凄絶な死闘の様相を克明に再現する臨場感あふれるノンフィクション戦記。
本書は、中南米の小さな国・ホンデュラスで活動したある青年海外協力隊員の楽しいイラスト入りの通信文である。
特攻隊員は「遺書」を書かされた。だがそこに、本心は書けなかった。出撃基地への途中、敗戦により命ながらえ、戦後は海上保安庁職員として朝鮮戦争での掃海作戦に参加、海上自衛隊、航空自衛隊をへて日航機長となった元特攻隊員が、なぜいま「二度目の遺書」を書かなくてはならなかったのかー。
本書に収録された蒲原正治執筆『イギリスの対印度教育政策』(資料乙第四十五号C)(財団法人東亜研究所、昭和16年11月2日発行)は、満鉄調査部と並び称されている東亜研究所(略称、東研)から刊行されたものである。東亜研究所は、帝国の海外発展に資するため、東亜の人文及び自然に関する総合調査をおこなう独自の国策調査機関であった。東亜研究所の活動の全貌はよく知られておらず、幻の研究所と巷間称せられることもあり、その意味では、本書の復刊は関係者にその著作の内容を知る機会を供するだけでなく、東亜研究所の全貌の一端を知る契機になりうる。さらにもう一編、この本に収録した吉田実著『印度・ビルマの教育・植民政策』は、太平洋戦争が始まった1941年(昭和16年)12月8日以降に刊行された書物で、1942年(昭和17年)10月20日発行の、“出文協承認ア10014号”と奥付に刻印された出版物である。総力戦体制のもとでは、出版用の紙も統制され、さらに表現活動が厳しく国家的に管理統制されていたから、この書物がどのような内容をもつものであるか、おおよその見当がつく。当時の人々の時代認識や時代感覚、および諸外国の歴史や民族に対する考え方が、どれほど国の政策選択と密接な関係にあったかを知らせてくれるものの一例として、蒲原正治の著述・翻訳になるものと併置してみた。
騙され、愛され、おちょくられ、にわか教師、「方程式」で一苦労!「好奇心」から青年海外協力隊に参加したと語る著者の、揺れ動く心に映った日常のアフリカ。アフリカー2年間の心の旅路。
本書は在院日数短縮化時代の病床管理やケースマネジメントのあり方、退院指導や退院計画のあり方について、各病院での取り組みを紹介したものである。
オイゲン・ブロイラーは、クレペリンが確立した早発性痴呆の概念を批判的に継承し、《精神分裂病》の名称を提唱した精神科医として知られている。彼は、フロイトの精神分析にも早くから理解を示し、弟子のユングをフロイトのもとに派遣した。本書に収められた諸論文には、クレペリンの記術精神医学とフロイトの力動精神医学の統合を試みた著者の精神科医としての実践、学者としての思考の足跡が例外なく鮮明に描かれている。《精神分裂病》の名称がはじめて用いられた「早発性痴呆(精神分裂病群)の予後」、アカデミズムからの厳しい批判に曝されていたフロイト学説をいち早く擁護した論文として知られる「精神病の症状論におけるフロイト的機制」、自閉、両価性といった今日では周知の精神病理学的概念を開示した重要論文など、いずれも分裂病論を考える上で歴史的な意義を持ち、現在にも大きな示唆を与える価値を持つものばかりである。精神疾患とはなにか、精神医療とはなにかを考えるための資料的価値の高い論文集。
病院を取り巻く環境が大きく変わろうとしている。新聞や雑誌を開いても、長寿社会、医療制度改革、社会保障費の効率化、規制緩和、公的介護保険の創設、医療の質の評価、医療の情報公開という言葉が毎日飛び込んでくる。そこで求められるのが「医療・看護の標準化」という考え方である。これは広く世界で流布し始めた考え方で、疾病ごとに治療や看護、投薬、リハビリテーションなどの一連の医療行為のプロセスについて「標準化モデル」を作り、それをもとに疾病・看護を提供することによって「経営学的な裏付けを持った医療」を実現しようとするものである。では、どうすれば医療の標準化を達成することができるのか。本書はその具体的な方法論を紹介する。第1章ではなぜ今、医療・看護の標準化が必要なのか、その時代的背景や倒産の変化について概説する。第2章ではこれを受け、実際に「疾病管理」という手法を通じて医療・看護の標準化に努力している医療機関や看護部門の取り組みを紹介する。そして第3章では、医療・看護の標準化を徹底する上でもう1つの要件とされる「患者教育」をいかに行えばよいのか、アメリカの医療政策研究所の「患者ガイド」を参考に作成した「日本版患者ガイド」を提示する。
本書は、脳神経外科の病棟で行われている看護の要点を、初めて勤務する新人看護婦にも理解できるようにまとめたものです。現場で実際に活躍している看護婦が感じた問いに、看護婦自身が答えようとする形で編集されました。
本書は新規開業した目出軽先生が在宅に取り組む姿を描きながら、複雑な在宅点数を解説するという内容になっています。目出軽先生と私の在宅医療をめぐる会話、私のコメント、そして点数のコンパクトな解説と既存の診療報酬解説本とは切り口を意図的に変えています。点数の解説は一般点数と老人点数を同時掲載し、両者の違いもすぐに理解できるようにしております。本書は在宅のザの字も認識されていない方はもちろんですが、在宅請求事務のベテランの方でも自己の知識を再確認していただける様に書かれています。