駅舎、車両、車窓、まちの風景、鉄路とともに生きた人々の軌跡を貴重な写真で綴った。カラー写真1200点でたどる沿線風景。
新幹線を設計した鉄道技師・島秀雄は、なぜ東海道新幹線開通式に出席しなかったのか?-本書は、戦前と戦後を通じて、国有鉄道という大組織の中で「デゴイチ」や「0系」など、世界鉄道史上に残る数々の傑作を生み出し続けたエンジニアの半生を描く。歴史に翻弄されながらも真っ直ぐに職人魂を貫き続けた男の姿に、胸が熱くなる一冊。
道に迷い、宿を探し、友を訪ね、酒に酔う。極東ウラジオストックから西端リスボンまで全行程レールの上を踏破した、旅の記録。
与謝野晶子、宮本百合子、林芙美子。明治末から昭和初めの動乱期に、シベリア鉄道で大陸を横断した逞しい女性作家たちの足跡を辿り、著者もウラジオストクから鉄道で旅に出た。愛と理想に生きた三人に思いを馳せながら、パリを目指す。車中での食事、乗客とのふれあい、歴史の爪跡が残る街…世界で最も長い鉄道旅をめぐるエピソードの数々。三人と著者の旅が、時を超えて交錯する評伝紀行。
市場化を推し進めたグローバル経済の挫折、そして東日本大震災という破局のあと、建築界の世界的フロント・ランナーは、なにを考え、建築をどのように変えようとするのか。失われた人と大地との結びつき、人と人とのかかわりを取り戻す建築とはー。伊東豊雄、岡田利規、佐々木正人、原武史、藤森照信、御厨貴、蓑原敬と語る。
「今日は風が強いから電車が止まるかも…」と心配して早めに帰ろうとするが、案の定、電車は止まっている。「いつも、この路線ばっかり!」とイライラした経験は誰しもあるはず。一体、鉄道会社はどのようにして運休を決めているのか?本書は、東日本大震災後、首都圏でも危惧される地震を筆頭に、ゲリラ豪雨、強風、落雷といった自然災害に対する鉄道の備えと、意外な弱点を解説。さらには停電、火災、人身事故などの問題にも触れることで、「いつも正常に動いて当たり前」と思っていた鉄道への認識が変わる一冊。
肥薩線大畑駅の大ループ線路やスイッチバック、数十本のレールが敷き詰められた尾久車両センターをはじめとする巨大車両基地群と新幹線基地、大都会のビルの谷間で貨車が行き交う貨物ターミナル駅、高度約4000フィートから俯瞰した東京スカイツリー駅など、鳥の目となって目撃する鉄道絶景。
山手線をしのぐ“ドル箱路線”を持つ会社、動物たちが駅長を務める会社、全国に熱いサポーターがいる会社…鉄道会社の驚きの素顔を知れば、旅や通勤・通学がもっと楽しくなる。
「みんなに國鉄からプレゼント〜。豪華温泉つき九州横断列車の旅〜」「絶対に何か裏がありますよね?」「さすが班長代理、実はね…」えっ!高千穂線にお化けが出る?警四の任務は幽霊退治!?なんで東京駅勤務の俺たちが、と言いつつも國鉄で「最も長い距離を最も長い時間で走る列車」に乗れる!と俺、高山直人は浮かれていた。この旅でとんでもない「決断」を迫られるとは夢にも思わずに…。國鉄が分割民営化されなかったもう一つの日本を舞台に、夢の鉄道パラダイス・エンタテインメント第五弾。
日本の鉄道路線には、思わず首を傾げたくなる箇所がいくつも存在する。なぜか一駅間だけ途切れているJR四国の路線。駅名も乗り換えも面倒くさい近鉄線の不思議。ややこしい路線のダブりや、鉄道会社の境界の話…。索引地図の謎をめぐって旅をすれば、知らなかった鉄道の真実が見えてくる!誰かに話したくなる鉄道雑学が満載の一冊。
新幹線はナショナリズムでつくられた。世界に冠たる日本復活のために、いまこそナショナリズムを喚起し、新幹線ネットワークの整備を急げ。新幹線が通っている都市は発展し、通っていない都市は衰退する。ローマも中国も、交通投資をすることによって発展した。新幹線は「豊かさ」をもたらし、さらには精神的結びつきも強くする。経済発展のほかに、私たちが得るものは何か。新幹線で読み解くナショナリズム論。
国鉄がまだ健在だった1981年、北海道から東京までひとりで旅をする男の子がいた。室蘭本線、青函連絡船、中央線、東海道線、相模線…男の子の存在は、出会った人々の記憶に深く刻まれる。彼はなぜ、ひとりぼっちで列車に乗っているのだろうー?切なくて、あたたかい、人と鉄道の「絆」の物語。
最高時速五〇〇キロ超で、東京・大阪を一時間で結ぶ“夢の超特急”リニア新幹線。しかし、その実像は、ほとんど知られていない。全区間の七割が地下走行で、車窓は真っ暗。遠隔操作で運転手不在。乗り換えは不便で、安全対策も環境対策も穴だらけ。中間駅建設は地元負担。新幹線の三〜五倍の電力を消費。そして、二〇四五年(予定)の全線開通時には人口が二四%減少するにもかかわらず「移動需要は今より一五%増える」という不可解な試算…。本当にこんな巨大インフラは必要なのか、徹底的に検証する!
1964年に誕生した新幹線は、大量の高速輸送を安定に実現するために、重量オーバー対策での線路の作り直し、ダイヤの改訂など、さまざま試行錯誤を繰り返してきた。開発された技術が海外に大きな影響を及ぼした一方で夜行列車や貨物新幹線など、実現しなかった構想もある。本書では、新幹線50年の歩みを技術中心に振り返り、整備新幹線やリニアなどの将来像を展望する。新幹線と人生を共にした筆者による渾身作。