郊外を走る蛍川鉄道の藤乃沢駅。若き鉄道員・夏目壮太の日常は、重大な忘れ物や幽霊の噂などで目まぐるしい。半人前だが冷静沈着な壮太は、個性的な同僚たちと次々にトラブルを解決。そんなある日、大雪で車両が孤立。老人や病人も乗せた車内は冷蔵庫のように冷えていく。駅員たちは、雪の中に飛び出すがー。必ず涙する、感動の鉄道員ミステリ。
昭和十三年、五月の台湾。作家・青山千鶴子は講演旅行に招かれ、台湾人通訳・王千鶴と出会う。現地の食文化や歴史に通じるのみならず、料理の腕まで天才的な千鶴と台湾縦貫鉄道に乗りこみ、つぎつぎ台湾の味に魅了されていく。ただ、いつまでも心の奥を見せない千鶴に、千鶴子の焦燥感は募り…国家の争い、女性への抑圧、植民地をめぐる立場の差。あらゆる壁に阻まれ、近づいては離れるふたりの旅の終点はー。
新幹線・特急・SLから駅のおもしろ情報、オリジナル・グッズまで、鉄道トリビアまんさい!!350超の写真でナルホドなっとく。
大阪の駅名はこんなにすごい。難読駅名には日本史の秘密が詰まっている。
遺書は書けなかった。いやだった。どうしても、どうしてもー。あの日福島県に向かう常磐線で、作家は東日本大震災に遭う。拡販されるような暴力的な揺れ、みるみる迫る黒い津波。自分の死を確かに意識したその夜、町は跡形もなく消え、恐ろしいほど繊細な星空だけが残っていた。地元の人々と支え合った極限の5日間、後に再訪した現地で見て感じたすべてを映し出す、渾身のルポルタージュ。
宮沢賢治の童話集。夜の軽便鉄道に乗って天空を旅する少年ジョバンニの心の動きを描いた表題作のほか、「やまなし」「貝の火」「なめとこ山のくま」「オッペルとぞう」「カイロ団長」「雁の童子」の7編。幻想性に富んだ作品を収めます。小学5・6年以上。
本書では、イギリスという国を知るための背景知識や、この国の文化・スポーツなどにまつわる雑学的な知識をできるだけ取り上げている。CDに収められている会話やアナウンスは、すべてロンドンとその周辺地域でライブ録音している。
一切公開されていないにもかかわらず、着々と作られている謎の線路、用途不明の鉄道施設。その“点”と“点”をつないで現れた、驚くべき“新路線”の数々を追う。10年後、近所に駅ができるかもしれない!?あなたの知らない“未来予想図”満載。
豪華寝台列車から懐かしのブルートレインまで寝台列車の旅を完全網羅。
見どころ×コスパ。世界60か国以上の世界遺産を訪れた著者がぶった斬る!
鉄道の旅を愛し、突然姿を消した叔父。そのゆくえを探し、一心に列車に乗り続ける香澄だが、いつしか各駅停車旅の醍醐味を味わっていた。京急の歌う電車に秘めた技術者の願い、南阿蘇鉄道で出会った美しい蝶、小海線の大カーブをめぐる考察…やがて、新たな情報に導かれ、今なお震災の爪痕が残る東北へ向かうことになるのだがー線路がつなぐ人々の想いが心揺さぶる、鉄道旅ミステリ第二弾!文庫オリジナル。
ふつうモノクロでしか見ることのできない昭和30年代の日本を、カラー写真で記録していた人物がいた。アメリカ出身、日本と日本の鉄道をこよなく愛する元祖「カラー撮り鉄」、J・ウォーリー・ヒギンズ。駐留米軍軍属として来日後、国鉄の顧問に。日本全国をくまなく訪問し、趣味の鉄道写真を中心に、当時としては超贅沢なカラーフィルムで日本の風景を多数撮影してきた。半世紀以上の歳月を経て、今なお色褪せない最上質のコダクロームの6000枚の中から、選りすぐりの382枚を、当時の思い出話とともに公開する。鉄道写真に写り込んだ、生活感あふれる風景ポートレートの数々には、東京五輪を前に激変する東京の様子や、今では失われてしまった懐かしい地方の町の風景、人々の様子が記録されている。