本巻は、鎌倉市域について、『鎌倉市史 近世通史編』にひき続き、現代に至るまでの時期を対象に叙述したものである。
鎌倉彫を習う方は必ずと言って良い程、手鏡を彫ることでしょう。手鏡は彫るのにちょうどよい大きさで、華やかさもあり、物をのせる器と違い、自由な表現ができるのも魅力です。今回の手鏡文様集は、私の最近作から選んで文様53点と全点の彫りを原寸収録してあります。
この記念論文集は、関口先生の停年ご退官を機として、横浜国立大学、東京大学、文化財修理現場等で直接指導を受けた研究者、文化財修理技術者等の門下生が相諮り、各々の研究成果を献ずることにより、関口先生の学恩に報いるものとして企画したものである。
鎌倉を愛し、実朝を愛した著者の実朝論は、実朝の歌を客観的に分析するというより、実朝の心の中に入りこんで、実朝と一つになり、そこから生まれた深いヨミが、独自の実朝論を誕生させることになった。また仙覚論は、仙覚の業績を、東国の風土と鎌倉幕府の機構の中でとらえたもので、特に、仙覚の出自について、仙覚が鎌倉二代将軍頼家の子であったという新説は、従来の仙覚研究に一石を投ずることになるものであろう。
鎌倉幕府の体制基盤である御家人制が、中世国家(朝廷・武家政権・寺社勢力の総体)との関わりを強め、新たな制度を生成していく過程を、御家人制の地域的個性と関連づけて追究。
中世後期、鎌倉府の支配下にあった関東における政治史を鳥瞰するとともに、地域社会の民衆・武士・寺院各々の、時に緊迫する相互関係を多様な観点から検証。併せて、史料批判にも言及し、中世関東地域の全体像に迫る。
第一部では、助動詞「けり」の「枠づけ」機能について、各作品の差異なども含めて実態を調査。「けり」が文章構成において果す役割を明らかにし、鎌倉期における当時の口頭語を反映した語法や終局部の表現の多様化等、新たな傾向について言及する。第二部では、接続語や複合動詞などの語彙によって和漢混淆文の生成の問題を論じ、宣命書きが漢字片仮名交じり文に繋がる過渡期の姿も指摘。また文学的な観点として「語り手」の概念も踏まえ、従来の研究においてなおざりにされがちな点についても論究する。