“姫”と“義高”-七歳の少女と十二歳の少年のふたりは、こどもの姿のまま、古都・鎌倉の町で長い長い時のなかを漂ってきた幽霊だ。そんな姫の前に、ある日紫陽花の模様の土鈴を返してほしいと言う女の子・江見里が現れて…。複雑な事情を持つ幼いふたりの亡霊が、悩みを抱えて鎌倉を訪れた人々に、不可思議な体験を見せていく…。せつなくて、ちょっと怖い鎌倉幻想物語。
「琴の音を聴きながら、私は死にます。20年生きれば十分です」秋の夜、名門女子大・北鎌倉聖陵学院二年生の奥泉京子から友人たちの携帯電話に一斉に入った自殺予告のメール。そして、京子は恋人の柳田桐人とともに円覚寺山門で睡眠薬心中を図っているのが見つかる。だが京子は助かり、桐人は少量の睡眠薬にもかかわらず死亡。ふたりの小指は黄金の琴糸で結ばれていた。折しも朝比奈耕作の友人平田均が新しい仕事に選んだのが同大学の臨時講師。講義テーマは「犯罪とメディア」。受講生たちは友人の死を殺人だと騒ぎ立て、探偵ゲームに没頭するが、じつはその中に殺人者が隠れていたと朝比奈が見抜く!「四季の殺人」第三弾。
乱世の厳しさが「信心」を決定させた中世の社会的背景を捉えつつ、体験的に仏教を追求し、新しく法灯を掲げた、親鸞の叙情的人間性と愛欲の葛藤、道元の深い論理の思索、日蓮の苛酷な受難の生涯にみる自己形成への奮闘と彼らの信仰の諸相を比較検討する。
鉄を制する者が天下を制する。日本の歴史を切り開いてきたものは、大陸伝来の製鉄技術だった。大和朝廷権力の背景にある鉄器。生産力を飛躍的に発展させた鉄製農具。鋳造鍛錬技術の精華、美術工芸品と日本刀。天下の覇者を決した鉄砲。近代国家建設の象徴、官営製鉄所の創業ー。考古学・民俗学・技術史を駆使し、“鉄”と日本の二千年を活写する。
最近、どこかの街角で、人力俥が通りすぎるのを見たことがないだろうか。まるで白日夢のように、晴れ渡った空の下、カラカラと車輪を回しながら、屈強な男が車を引いて走り去る。あれは上野か浅草か、いや京都だったろうか。かつて日本中に二十二万台あったといわれる、日常交通としての人力俥ではない、観光ガイドを兼ねた平成の人力俥、いわゆる「観光人力俥」が今彼方此方で元気に走り回っている。なかでも湘南の古都鎌倉を走る観光人力俥は、箱根の東側ではもっとも古い二十年の歴史を持つ。その二十年の歴史を切り開いてきたのが、鎌倉有風亭の青木登である。
歌舞伎は、いつの時代もその舞台美と独特の型、ストーリー性、そして作品によっては荒唐無稽とも思われるおもしろすぎる「すじがき」で、日本人の心に訴える伝統芸能として君臨してきた。二十一世紀の今日も、現代を生きる役者が「見得」を切り、踊り、名台詞で私たちを酔わせてくれる。本書は、上演頻度の高い名作、傑作を中心に五十演目を選び、歌舞伎デビューしたいあなたのためにわかりやすく解説した。舞台写真は、今日活躍の現役役者で構成、ほかにも観劇に必要な基礎知識やうんちくがいっぱいのコラムと、歌舞伎の楽しさが存分に伝わる内容となっている。
築地・深川・蒲田・北鎌倉…日本映画の巨匠がこよなく愛した原風景を発見する旅。
地元で元気のお店126店厳選。
『週刊朝日』元編集長の怒り炸裂、辛口エッセイ。
食は人生の感動。あなたに伝えたいごちそうさま、ありがとうの30編。
ちょっぴり贅沢な鎌倉の旅。しっとりと落ち着いた情緒をたたえるお寺を訪ね、古都らしい風情の小径をたどれば路地裏には知る人ぞ知る隠れ家レストラン。心もお腹も満足したら、街歩き再開。海に出て潮風にふかれるも良し、山に向かって草花を愛でるも良し、お気に召すまま、気の向くまま歩こう。身軽に歩ける手のひらサイズお散歩携帯マップ付き。
高田馬場駅山手線内・外回りの「鉄腕アトム」ほか、JR東日本の駅ホームで使用されている発車メロディのオリジナル音源を集めたコンピレーション・アルバム。