鎌倉のタロット日美子のもとへ、園田乙女との女流最高位戦に挑む17歳の天才棋士・椎野美雪のマネージャー役であり、淑母の椎名緋呂子が脅迫電話の件で相談に来た。タロット日美子は第一局の開催地・京都にむかい脅迫者らしき女性の元を訪ねて、彼女の他殺死体を発見。そこに残された〈カモ川〉の血文字と、鴨川らしき風景の写った一枚のポラロイド写真から犯人を追い求めるが、第二局の新たな殺人事件で謎は増々深まる…。
鎌倉の花名所71ヵ所と花123種を花の見頃や交通案内付で紹介。鎌倉四季の花名所地図・天然記念物の樹木一覧・花巡りコース案内・花の寺社と名勝案内など情報満載。
「法螺の貝」がなまって「ホラーの会」になったグループの文学散歩が、初夏の鎌倉で行われた。今回は、鎌倉在住のミステリー作家宇田川白髯斎が案内役をつとめてくれるというので、参加者の期待も大きい。ひねた幼稚園児の遠足みたいな点呼が終わるといよいよ出発だ。一行は藤沢駅で江ノ電に乗り、極楽寺駅で下車した。ここからは歩きである。何箇所かで白髯斎の説明を聞きながら、最初のハイキングコースが終る。次のコースは急峻な山道である。一行は気を入れて再び歩き始めた。だが途中で仲間の一人大曲が刺殺されるという事件が起きた。(「鎌倉ミステリーガイド」より)。鎌倉・湘南が舞台の傑作推理を九篇収録。
鎌倉に育った人気推理作家の異色歴史エッセイ集。
多くの謎につつまれた鎌倉時代を、公武関係を中心として、後白河法皇と頼朝、承久の乱、執権政治、得宗専制、人物論、幕府の滅亡、等々に焦点を当て、史実のベールを次々に剥いでゆく。興趣あふれる筆致と簡明で分かりやすい文体の中に、鋭い指摘や新しい見解が随所にちりばめられている。中世史学をリードしてきた著者が描く恰好の鎌倉時代史概説。
いざ鎌倉-武士の合言葉であった鎌倉への道。ここでは旅情の濃い信濃-上州の鎌倉街道を、四季の風物と共に探る。
歴史の流れに沿って考察する多種多彩な日本の建築文化。神社仏閣、城、そして住宅…多くの図版と写真で見るわかりやすい日本の建築の通史。
宇治・三室戸寺で、月夜の紫陽花園を撮影していたアマチュア写真家・宮川茂一郎が殺された。スカーフの遺留品…現場には女性が。以後、被害者宅に紫陽花が届いたり、赤かぶ検事に『紫陽花どんぶり』が配達されたり、と怪事件が続発。捜査はますます攪乱される。『移り気、冷酷、無情』。紫陽花の花言葉どおりの連続殺人。会心のシリーズ最新書下ろし。
もう一つの宗教改革。官僧人生から離脱し、目の前の病者や、被差別者、女人、死者に救済の手をさしのべた叡尊らの信仰は、現代にもなお宗教の意味を問いかける。
戦後間もない昭和二十一年、鎌倉に、新しい日本にふさわしい教育を目指す市民たちによって小さな大学が生まれた。わずか四年半しか存在しなかったこの大学は、教育の一理想として今日なお語りつがれている。服部之総、林達夫、村山知義、吉野秀雄など個性溢れる教授陣。なかでも学問の総合的交流を試みる哲学者三枝博音は、二代目学長として学問の深さと厳しさ、そして楽しさを伝えた。教育と学問の原点を鎌倉アカデミア精神にみる。
コンピューターソフト会社社長の緒方洋一郎は、村野と名のる男から、中学生の娘・葵が援助交際という売春をしていると、証拠写真を渡される。緒方は葵の同級生で援助交際をしているといわれる永井美果に会って話を聞こうとする。美果は何も語らなかったが、緒方と別れた後に川に突き落とされて死亡する。その後、村野から五千万円を要求する脅迫電話が入り、緒方は現金を渡しに行った鎌倉釈迦堂切通しで刺殺される。連続殺人の捜査にのり出した宮之原警部は、裏に暴力団の影と社長一族の隠された事情があるのを知るー。
歳時記をこえた、料理歳時記。旬とは、展開料理とは、そして、めりはり、感応、ものの本質とは。人間の心をさぐるー。「正しいものを食べることで仕上がってゆくはずの人間の幸せ」を見つめつづける料理研究家の、待望の甘辛エッセイ集。