夏宮病院の院長夫人綾香は大学講師秋津の逞しい腕の中で身もだえした。夫が看護婦と浮気し、病院事務員が不審死する中で、綾香は若い男に縋りつく。誘拐の魔の手が綾香自身に及び、熟れた体に危機が迫った。秋津は救い出せるか?-エロスとスリルの傑作官能推理。
17歳の誕生日の夜、あたしの枕元に黒い人影が立った。その人影は、寝苦しさに目覚めたあたしにゆっくりとおおいかぶさってきて、奪ったのよ。あたしのファーストキスを。でも翌日、半信半疑のまま立ち寄った占い師・原宿マザーは、あたしがキス泥棒にあったことをズバリ当てたうえで、こう言った。「キス泥棒を捕まえないと一生結婚できないよ」そっそんなあ。あせって調べるうちに浮かんできたのが、絵のモデルになった北岡真也っていう美少年。彼の行方を追って、いざ鎌倉。
執権・義時治める鎌倉は揺れていた。亮経を攻め落とせぬ焦りと、猛威をふるう黒死病に荒廃していたのだ。その悪敵義時にも、病魔は襲いかかっていた。傀儡とはいえ幼き征夷大将軍・源実朝は、時房を中心にした次期執権の権力闘争に振り回される。亮経は八宿将をいかに差配し、時房、そして、怨霊・魔王崇徳院らと闘い抜くのか?源平魔境、いよいよ佳境を迎えた大好評シリーズ第3弾。
本書は、「鎌倉仏教」とよばれている諸宗派が鎌倉を舞台に、どのように具体化され展開していったかについて、歴史家と、思想史・仏教史などの研究者、さらに各宗派の僧侶がさまざまな角度から検討し、祖師たちの思想と行動を明らかにしながら、中世都市鎌倉の実像をもさぐった珠玉の座談集である。
都市・農村・家など人々の生活する場の諸相と、芸能・文学・宗教などそこでの行為を具体的に眺めながら、自我のめざめた「個」の時代を生き生きと描く。
癌に冒された癌新薬開発者の魂の記録。
歴史を秘めて、ひっそりと鎮まる鎌倉…その史都鎌倉の全容を「あますところなく伝える最も正確で詳しい案内書」と多くの方々から絶賛を浴び、修学旅行の最良のテキストとして折紙つきの書。
物を透視する先天的な“眼”の才と直感が対象を眺め、いじり、抱き、そして離れて再度見入って掴み取る。“物が見える”とは何か。“美の窮極”とはどんなことか。批評家、本の装幀家、陶器鑑賞家青山二郎の一体なにが小林秀雄、中原中也ら昭和の文人達の心をかくも捉えたか。彼らの隠れた精神的な支柱であった“昭和の異才”の芸術、文学へ向けた自由闊達な批評。文庫版初収31篇。
日美子の後輩にあたる女子高校生二人が下校途中で誘拐され、自宅に一億円ずつ身代金要求が届いた。犯人が女子高生のひとりに書かせた手紙には奇妙な暗号が含まれている。日美子の夫二階堂警部らが暗号解読に苦心するうち、遂に殺人事件が発生した。古都鎌倉を舞台に人間の愛憎を織り込む本格推理長編。
鎌倉の花名所71ヵ所と花123種を花の見頃や交通案内付で紹介。鎌倉四季の花名所地図・天然記念物の樹木一覧・花巡りコース案内・花の寺社と名勝案内など情報満載。
歴史を秘めて、ひっそりと鎮まる鎌倉…。その史都鎌倉の全容を「あますところなく伝える最も正確で詳しい案内書」と多くの方々から絶賛を浴び、修学旅行の最良のテキストとして折紙つきの書。随所に著者の博識が光る。
裁判の理念や訴訟機関がどのように変遷したのかを幕府政治史との関連で考究した本書は、鎌倉幕府史研究にとって不可欠の基礎的文献である。研究者のあいだでは永らく「幻の名著」とされてきた。鎌倉年代記初めとする諸史料を検索渉猟して成った「鎌倉幕府職員表復原の試み」を新たに付録とした。日本中世史研究に朗報をもたらす刊行。
「桜」から、何を思いうかべますか?麻衣子は、やっぱり“恋”。だって、日下くんと、花の咲きほこる中を散歩できるから。“桜餅”って答えたのは、もちろん美奈子。でも、これが今回の事件のキーワードに。鎌倉の旧家で、執事を務めていた長谷老人が殺された。金沢へ桜を見に出かけたはずの老人の身に、いったい何が起きたのだろう。現場に散りばめられた桜の花びらと、旅行カバンに残されたお土産に、驚きの真相が。