得宗は北条氏嫡宗の呼称である。幕府要職就任者の家系を調査・分析する独自の方法により得宗専制の実態を解明し、家格秩序の存在を明らかにする。あわせて新式目や寄合などを取り上げ、後期幕府政治体制の変化を究明。
鎌倉を愛し、実朝を愛した著者の実朝論は、実朝の歌を客観的に分析するというより、実朝の心の中に入りこんで、実朝と一つになり、そこから生まれた深いヨミが、独自の実朝論を誕生させることになった。また仙覚論は、仙覚の業績を、東国の風土と鎌倉幕府の機構の中でとらえたもので、特に、仙覚の出自について、仙覚が鎌倉二代将軍頼家の子であったという新説は、従来の仙覚研究に一石を投ずることになるものであろう。
生活の中でよく使われる、ことわざ・慣用句・故事成語を約1200項目収録したことわざ辞典。約50項目におはなし欄を設ける。800以上のイラストを付す。
二階堂日美子は知人の椎野緋呂子から従妹の美雪に脅迫電話があったと相談を受けた。美雪は十七歳の女流天才棋士で、二十三歳の園田乙女を相手に〈女流最高位戦〉の決戦を行うことになっていた。日美子は第一局が行われる京都へ同行するが、対局の前日に乙女を訪ねて来た市井重子という人物がいたことを知る。だが市井の宿泊先を訪れた日美子が見たものは、市井の惨殺体と“カモ川”と記された血文字だった。
京都における景観論争の展開、住民による「まちづくり憲章・宣言」の運動には、歴史都市をいかに住み続けられる空間として守り再生・創造するかというテーマが貫かれている。その論争過程で、法定都市計画の限界が誰の目にも明らかになった。法定都市計画は用途地域や容積率指定、高速道路建設計画などで固められているが、それはトータルな空間未来像を明示するものでない。京都での「憲章・宣言」や住民自身による「構想案」の提案は、このような法定都市計画の限界の対極に定置されるものであり、20世紀末を特徴づける歴史的役割を帯びている。本書で述べている「構想計画」は、このような論争の教訓に学びながら都市・居住空間のトータルビジョンへのアプローチを試論として提示したものである。
最も輝いていた時代の鎌倉を歩く、新機軸の歴史探訪。
心いやされる古都へ。静けさを訪ね、美しき古刹に詣で、自然の恵みを存分に味わう。800年の時を重ねた鎌倉で、「本当の豊かさ」に出会うための旅案内。