「古都のシンボル」鎌倉の大仏は、いつ、誰が、何のために、どのように造ったのか明らかになっていない。政治と宗教の関係、銅造以前に存在した木造大仏、倒壊を繰返した大仏殿など、文献と彫刻史の両面から謎に挑む。
鎌倉といえば、多くの寺社が残る観光都市「古都」という印象が強いが、南を海に面し、それ以外の三方を山によって囲まれた天然の要害の地に築かれた城塞都市という機能も有していた。源頼朝はこの地を武家の都とし、その後、北条氏が防衛術を駆使して城塞化させていったのである。なぜ、武家の都鎌倉が「城塞」といわれるようになったのか、最新研究からその謎と真相に迫る。
美しい海山の景色と一体化した避暑地だった鎌倉。皇族や華族、財界人、文化人たちが優雅に暮らしていた鎌倉。明治期の近代化の華やぎをいまに伝える歴史ある建物から見どころある戦後の建築物まで、計50件を紹介。古きよき建築をめぐり、鎌倉の奥深い魅力に触れてみませんか。
初の武家政権を鎌倉に創設し、弟の義経を死に追いやった冷徹な政治家とされる頼朝。平治の乱や石橋山合戦など、相次ぐ命の危機で負った心の闇に迫り、伊豆・鎌倉・平泉などゆかりの地を訪ね、波乱の生涯を描き出す。
本書は、源頼朝挙兵前の北条氏から叙述をはじめ、北条氏が鎌倉幕府の主導権を掌握して覇道による政治から文治主義へと政策転換し、「北条氏の平和」とよばれる鎌倉幕府政治が最も安定した平和の時代のはじまりまでを述べたものである。本書を通じて、平和にいたる道がいかに険しいか、そのなかで生き残るためにさまざまな模索をした人々の生き様を堪能していただきたい。
鎌倉幕府の発展を支え、武士の治世を盤石にした北条義時は、いかにして権力を手中にしていったのか?陰謀と抗争が渦巻いた激変の中世がスッキリわかる!
鮮やかに甦る、昭和の面影。
76ヶ月、鎌倉その日その日。1994.9-2000.12。仕事場は鎌倉雪ノ下、慌しくゆるやかな作家の日常。
中世において「悪党」と呼ばれる人々が、朝廷・幕府や荘園領主と敵対し、召し捕りの対象とされた。犯罪者を逮捕・処罰する「検断」の実態を探り、自力救済が前提の中世社会を治安維持から追究。悪党の実像に迫る。