“銀のなえし”-それは、ある事件の解決と政次の金座裏との養子縁組を祝って贈られた捕物用の武器。宗五郎の金流しの十手とともに江戸の新名物となる、と周囲が騒ぐのをよそに、冷静に自分の行く先を見つめる政次。そう、町にはびこる悪はあとを絶つことはないのだ。亮吉・常丸、そして船頭の彦四郎らとともに、ここかしこに頻発する犯罪を今日も追い続ける政次たちの活躍を描く大好評シリーズ、新装版第八弾。
平安末期から鎌倉初期の大仏師運慶。奈良での造仏が知られるが、鎌倉幕府と結びついて東国でも活躍した。運慶とその工房作と見られる仏像を多数収め、鎌倉幕府と三浦一族の歴史と文化に迫る。共同特別展の公式図録。
「山なれば富士、白酒なれば豊島屋」とまでうたわれる江戸の老舗酒問屋の主・清蔵。店の宣伝に使う引札を新たにあつらえるべく立ち寄った一軒の引札屋。そこで出会った女主人・おもんに心惹かれた清蔵はやがて…。鎌倉河岸を舞台に今日もまた、愛憎や欲望が織りなすさまざまな人間模様が繰り広げられるー。金座裏の宗五郎親分のもと、政次、亮吉たち若き手先が江戸をところせましと駆け抜ける!大好評シリーズ新装版第六弾。
本書は、江戸時代から遡って鎌倉時代に至る「武士の時代」を取り扱ったものである。この武士政権の期間にも、これほどすぐれた人物、面白い人物、たくみな技術等々が満ち溢れ、流れていたのかと驚くほど多くを教えられ、あらためて日本のよさというものを確認させられる。
なぜ、タイワンリスが鎌倉に広がったのか?-1人の女子学生・庄司さんが、石神井公園からはじめたタイワンリスの調査は、やがて鎌倉の木下さんをはじめ、グループの女性の手へと、うけわたされました。この女性のグループは、その後地道に10年にもわたり調査をつづけ、野生化し、鎌倉にいついたタイワンリスの生態や移入ルート、分布を明らかにしてきました。小学上級生から中学生向。
殺人現場に残された真紅のバラとローマ字の絵本から、容疑は、タロット占いの名手・日美子の旧友に。琵琶湖畔での失踪事件に端を発した鎌倉・横浜港の連続殺人。友の潔白を信じてカードをめくる日美子の推理は…。
鎌倉は文士の町。その湘南・鎌倉に住む著者が、編集者として25年、里見〓@4CEE@、永井龍男、小林秀雄、堀口大学など仕事を通して知遇を得た文人たちとのこぼれ話から、湘南の暮らしぶり、身辺雑記までエピソード豊富に描く。文士のプロフィールが編集者の目で巧みにとらえられている。
愛の精神だけで本当に人が救えるのか。忍性は、釈迦堂を拠点に貧者救済活動に力を注いでいた。そこで働く僧たちの様々な悩みを描き出す時代小説短篇集。
新しい幻想小説。江ノ電の車窓から七里ケ浜の砂浜で北鎌倉の山間でみつけたちょっとせつなくちょっとおいしいこころの旅風景。
人はいかにすれば救われるか。法然と明恵ー鎌倉新旧仏教を代表する両者の思想対決は、私たちを根源的な問いへと誘う。現実か理想か。他力か自力か。そして、生と死の究極の姿とは。最新の宗教学の成果を踏まえ、二人の対決の彼方に宗教のアクチュアルな「力」の再生の可能性を探る、宗教のポストモダン。
蒼生子はタイムスリップすることができる女子高生。時を超えた恋人・信澄と対立してしまい、もう戦国時代には行かないと心に決めていた。そうして今回飛んだのが鎌倉時代。蒼生子が助けた公暁という男の子は何者かに命を狙われているようだ。公暁と仲の良い叔父・実朝は、呑気に昼間から酒を飲んでばかりいるのだが、実は鎌倉幕府の三代将軍!実朝は蒼生子を気に入っているようだが…。
鎌倉を愛し、実朝を愛した著者の実朝論は、実朝の歌を客観的に分析するというより、実朝の心の中に入りこんで、実朝と一つになり、そこから生まれた深いヨミが、独自の実朝論を誕生させることになった。また仙覚論は、仙覚の業績を、東国の風土と鎌倉幕府の機構の中でとらえたもので、特に、仙覚の出自について、仙覚が鎌倉二代将軍頼家の子であったという新説は、従来の仙覚研究に一石を投ずることになるものであろう。