わずかな手勢で挙兵し、征夷大将軍にまで上り詰めた源頼朝。しかし時を同じくして立ち上がった木曾義仲や、頼朝に反旗を翻した弟義経は、京に入りながらも天下を手にすることはなかった。頼朝にあって彼らになかったものは何か。それは地理的要因にもまして重要な、挙兵の正統性を認めさせる力だった。頼朝は後白河法皇を武力で護りつつ、武家はつねに天皇のためにあるという姿勢を貫くことで、朝廷の信頼を得ていく。それを見て各地の武家勢力も、頼朝に従う道を選んでいった。史料の徹底的な読み込みにより、頼朝と内乱の時代をリアルに描いた、鎌倉幕府成立論の名著。
ある日現実世界は、大人気VRMMORPG『カロン・ファンタジア』と融合した。現代兵器無効のモンスターが容赦なく人々を襲い、ゲーム時代には質量を持たなかった大剣が、ネトゲ廃人たちの細腕にずしりとのしかかる。だがそんな世界の変革は、裁縫マニアな高校生・鶴岡大和以外は見向きもしなかった最弱の生産職ー『裁縫士』を、一瞬にして超レアジョブへと引き上げてしまう!現代人には重くて扱いきれない兜や鎧に代わり、突如有用となった強靱な衣類を生産できるだけでなく、「針」と「糸」を組み合わせたモンスターの攻略法を創出し、戦闘ですらその強みを発揮できるようになったのだ!大和は「現実世界でも冒険がしたい!」と言い張る義妹・七里に誘われるがまま、様々なクエストに立ち向かっていくことになるのだが…。たとえ大和が日常を望もうともー世界は彼に平凡を許さない。
日本国憲法第9条とユネスコ・世界遺産はどのように関係しているのか?今こそ、考えてみよう。
寛政十二年の年の瀬、金座裏の若親分の政次は、久しぶりの剣術稽古に精を出していた。同門の士より、永塚小夜の姿が見えないと耳にした政次は、小夜が指導している林道場を訪れることに。そこで政次は、小夜の息子の小太郎がかどわかされそうになった事実を聞く。政次ら金座裏の聞き込みにより、秋月藩士が関わっていることが判明するも、背後に小太郎の父親の影が…。祝言を間近に控えた政次、しほ、そして金座裏を巻き込む事件の行方は?大好評書き下ろし時代長篇。
妻と幼い子どもを突然喪った、外科医マッテオ。放浪の途次で見つけた森の小屋で、独り暮らすマッテオの、こころの物語。イタリアの女流作家、本邦初訳の名作。