世界一周クルーズ、海峡を渡る鉄道連絡船、河川を渡るフェリー、島々をたどる観光船…。『世界の鉄道見て歩記』『鉄道の話題あれこれ』の著者が、年月をかけて世界を巡った68件の船旅を、寄港地の地理・風俗・交通事情などにも触れた紀行文と、豊富な写真と図版、旅程で再現する。
83歳、実業の第一線を退いて始めたのは、特別養護老人ホームでの傾聴ボランティア。日常のレールから滑り落ちる老人たちをたすけるはずが、老いて純化されてゆく姿、神の手に帰ってゆく手順、生きていることの意味、を認知症の人たちから教わることになる。異色のエッセイ。
漢字の移入を受け入れて、日本の書き言葉を組み上げていった過程の一端を、『古今和歌集』『徒然草』から掘り下げてゆくー
深田久弥『日本百名山』から詩歌にまつわる記述を取り上げ、山と文学とが織りなす景色を楽しむ。ドイツ語の対訳は著者の労作。
祝言の賑わいが過ぎ去ったある日、政次としほの若夫婦は、仲人である松坂屋の松六の許へ挨拶廻りに出かけた。道中、日本橋付近に差し掛かった二人は、男女三人組みの掏摸を目撃する。政次の活躍により、掏摸を取り押さえたものの、しほは、現場から立ち去る老人に不審なものを感じていた。やがて、政次の捕まえた掏摸が、江戸に横行する掏摸集団の配下であることが判明。隠居然としていた宗五郎も政次とともに、頭目の捕縛に乗り出すがー。金座裏の面々が活躍する大好評書き下ろし時代長篇、待望の第十四弾。
本書によって陽の目を見ることになった、「明治25年の宿帳」、戦中戦後の小学校の「当宿直日誌・学級日誌」は貴重な史料。長野県の東南部に位置する遠山郷ー「日本のチロル」とも、「隔絶山村」とも呼ばれる。
戦後、キャンプ座間の仕事を受けて再開した神山クリーニング店は、家族総出で、笑いと涙とともに時代を歩んできた。店の片隅で綴った、子どもの頃の記憶、洗濯技術の発達、地域の変遷…