真夏のある夜、キャサリンと浜口は宏壮な屋敷に住む莫大な資産家の未亡人、水尾マユの晩餐会に招かれた。ところがその夜、マユの養女の1人が何者かの手で毒殺された。やがて第2,第3の魔の手が屋敷を襲って行く…。一方でマユの息子と名乗る男が出現し、水尾家の遺産を巡め相続争いは一層、深刻になって行った。謎の連続殺人事件を追う名コンビ、キャサリンと浜口を待ち受ける思わぬドンデン返しとは…京都の豪邸を舞台に繰り広げられる莫大な資産をめぐる争い。トリックの女王が描く華麗なる長編ミステリー。
満50歳の誕生日の当日、石井清が愛用のライフル猟銃で謎の死をとげた直後に警視庁嘱託の尾高一幸は盛岡の彼の自宅を訪れた。尾高は遺産相続の件で和歌山を訪れたとき盗難に遭い、その急場を画家仲間と旅行中だった石井たち一行に救われた返礼にやって来たのだった。証言からも自殺の動機が考えられないことから、不審な死に疑問を抱きながら、尾高は秋田の小松茂男宅に向かったが、そこでも異常な事故死の報が待ちうけていた…人間の善意が一瞬にして悪意に暗転、殺意の矢が放たれる恐怖を練達の筆致で描く書下し。
本書はまず農薬とはいかなるものかとその歴史を概括し、ついで安全性評価と作用と選択性の基本原理を述べる。各論では主要な農薬の特性・適用、作用機構、選択性機構についても平易に解説されている。さらに農薬の製剤・施用法や効力評価法に関する基礎事項にもふれている。
舞鶴順平、三十四歳。有能なファイナンシャル・プランナーである彼は、無類の女好き。抜群のベッド・テクニックを生かして「離婚請負人」とか「絶頂請負人」などもやる自称、導淫師。パーティーで知り合った美貌の未亡人・壇上三千絵から、遺言状の調査を依頼された舞鶴は、天才的な性技を発揮して、疑惑の鍵を握る女性達を次から次へと忘我の淵に…。痛快官能小説。
本書は各種の植物成長調節物質をはじめ、除草剤や植物化学調節剤などについて、今日までの研究成果の概要を、研究の歴史、化学的研究(分離・同定・分布、化学構造、合成法、構造決定と活性)、生合成と代謝、生理作用(個体・細胞・分子の各レベル)に分けて夫々まとめると共に、主要な文献を網羅して、現在までの研究状況を紹介し今後の研究に資することを目的として編集されたものである。
本書は、編者らが先に著した「果樹の生育調節」(博友社.1990年)の応用編として、現に農薬登録されている果樹関係生育調節剤・除草剤について、その使用方法を取りまとめたものである。
緊迫する十八世紀ヨーロッパの国際情勢を背景に、ルイ十五世の密命を帯びて暗躍した「男にして女、女にして男」シュヴァリエ・デオンの数奇で劇的な生涯を活写した歴史読物。