あめのひに、おかあさんをむかえにいった、さあちゃんとゆうちゃん。とちゅうでなにがおこるのかな。
独創的な幻想が綾なすファンタジックな世界ーこの幻想空間を描いて他の追随をゆるさない上田秋成『雨月物語』。それは、中国白話小説の用字や修辞を巧みに活用し、芸術的香気ただよう文章のうちに、主人公たちとその運命の悲劇的な情念世界をみごとに造形化した。貞女宮木、悪霊磯良、蛇精真女児らの悲しい運命を、作者の夢想的稟質と自覚的な方法が知的で美しい幻想小説に織りなしていく。この『雨月物語』の世界を、読みやすい本文とともに、語釈、現代語訳、さらには鋭角的な評を付しておくる。「訳注日本の古典」シリーズの決定版。
マリファナの虜になった僕は、もっとハイになりたくて中近東から北米、さらに南米まで足を延ばした。ロサンゼルスの蝦蟇ガエル、カリブの楽園ベリーズのハシシュ、ボリビア「月の谷」の幻覚サボテン…。トリップを重ねるたびにマリファナへの愛着は深まっていく。青春のすべてをマリファナを追い求めた放浪の旅に費やした僕が見た世界とは。
壮大な実験として始まったアメリカ合衆国の歴史。200年の時間を経た今なお、人種差別、ドラッグ、銃の所持など様々な問題を抱えながら、個人も国も道を模索し続けている。そんなアメリカの希望や苦悩、そして心が映画に表現されている。たとえ娯楽のための映画であっても。視点を変えれば見えてくるものがある。アメリカを知るテキストとしての映画。楽しみながら、心に映ってくるアメリカの旅。
「これは何?」、「この作品全然きれいじゃないわ」、「私にも描けそう」。現代美術をめぐって、世界中どこの美術館でもささやかれている疑問…。でも何か理由があるはず。それにそもそもアートっていったい何だろう?感動の終章。元ニューヨーク近代美術館の名物講師が美術観・人生観を変える。
本書は、国際競争力問題を体系的に、特に生産性の観点から分析し、展望するものである。
本書は、多くの人々に愛されて、うたわれ、聴かれてきた日本歌曲のうち、用語、修辞技巧、表現内容などで難解な、または、誤解しやすい部分をもつ曲を百曲選び出し、それぞれの詩を、前述のようなさまざまな視点から分析・解釈してみました。
ビートルズが東京へやって来た日、放送作家の卵だったぼくは、1台のオンボロ車、シムカ1000を手に入れたが、その代償のように1人の女友達を失う。(第1話「たそがれ色のシムカ」)アルファ・ロメオ、ボルボ122S、BMW2000CS、ポルシェ911S…。それぞれの車に素敵な女性との出逢いと別れをからめて、リリカルに描く青春恋愛小説の名作。
人類ははるか一万年前、ベーリング陸橋を越え、アジアから北米へ渡った。イロコイ族の血をひく女性が未来の世代へ贈る、一万年間語り継がれたモンゴロイドの大いなる旅路。
これは、時間を旅することのできる機械を発明したあるタイムトラベラーの物語。タイムトラベラーは、自らを実験台として、期待を胸に人類の未来へと旅立つ。ところが、未来社会はイーロイ人とモーロックス人の対立する社会だった…SF小説の父H・G・ウェルズのあまりにも有名な作品のフレッシュな完訳。
麻子は同じ職場で働いていた男と婚約をした。しかし挙式二週間前に突如破談になった。麻子は会社を辞め、ウエイトレスとして再び勤めはじめた。その店に「あの女」がやって来た…。この表題作「地下街の雨」はじめ「決して見えない」「ムクロバラ」「さよなら、キリハラさん」など七つの短篇。どの作品も都会の片隅で夢を信じて生きる人たちを描く、愛と幻想のストーリー。
生前、わずか10篇の詩を発表しただけで、無名のまま生涯を終えたエミリー・ディキンソン(1830-86)。没後発見された千数百篇にのぼる作品により、アメリカの生んだ最もすぐれた詩人の一人に数えられるにいたったディキンソンの傑作50篇を精選。「夢をはらむ孤独者」の小さくて大きな詩の世界を堪能できる一冊。