俺、航祐。夏休み、今はだれも住んでいない「オバケ団地」で遊んでたら、とつぜん不思議な大雨が降ってー気づくとそこは、大海原のど真ん中!?同級生の夏芽・太志・譲・令依菜・珠理、そして謎の少年・のっぽと、海を漂う団地に取り残されたんだ。どこへ向かうか分からず、食糧もギリギリのサバイバル生活はピンチの連続。それに、幼なじみでずっと一緒にいた夏芽に、“あのこと”を謝れていないのが気がかりで…。俺たちは、この「漂流」から元の世界へ帰れるのか!?小学中級から。
転校をきっかけに、故郷に戻ってきた栞。幼馴染みで初恋の相手との再会を楽しみにしていたが、彼ー葉桜はまるで別人にように冷たくなっていた。ところがある日、葉桜が泣いているところを見つけた栞は、彼の“涙の秘密”を知ってしまう。その秘密のタイムリミットは『来年の春』。葉桜を助けるために思い出作りに励むが、一方で栞もずっと言えなかった想いを抱えており…。第一回ビーズログ小説大賞“現代部門”受賞作!
原爆投下直後、広島に降った「黒い雨」。多くの人がその放射線を帯びた雨による深刻な健康被害に苦しめられていながら、「被爆者」と認めて救済する制度はなかった。雨を浴びた住民らは国に援護を求めて訴訟提起したが、解決までの道のりは長く険しいものだった。なぜ、国は黒い雨被爆者を切り捨てたのかー。本書は当事者の歩みをたどるとともに、米軍の被害軽視に追従した国の怠慢、非科学的な態度をあぶり出していく。戦後七〇年以上を経て、ようやく語られ始めた真実の数々。「黒い雨」による被ばく問題、その訴訟の全容を記録した初めてのノンフィクション。
おおきなクマさんとちいさなヤマネくんシリーズの4作目。梅雨明け間近の雷が鳴り響く大雨の日、ひとりであじさいを見に出かけていったヤマネくんを心配したクマさんは、雷が怖いのに捜しにいくのですが…。
雨、陽光、風、雪、霧、雷雨、暴風雨…といった気象現象への感情や政治的・芸術的価値づけは、歴史上いつごろ出現したのか。その誕生と変化、そして、「天気予報」に一喜一憂する現代社会までを、“感性の歴史学”の第一人者コルバンのもと、歴史学、文学、地理学、社会学、民族学の執筆陣が多角的に問う。
失敗続きの出版社女子と、野菜嫌いの青果店男子。湘南で彼らが手にしたのは、人生のしあわせな味。
神仏、あやかし、魔物…人霊とはまた別の、不可思議かつ恐るべき力の存在をまざまざと感じさせる異形の実話怪談集。幼少時から視えざるモノに悩まされ続ける女性が高校時代に見た恐ろしき夢。20年の時を経て現実世界へと侵蝕する悪夢の主とは…「魔物」、諏訪大社の置き石に腰掛ける謎の男。声を掛けられた者だけが案内される場所とは…「龍神の宿り木」、自衛隊基地近くの国道沿いの一角に居る巨大な泥人形。視える人には視えるその禍々しき存在の正体は…「顕彰碑」、その他狼信仰の流れを汲む秩父三峯神社、青梅武蔵御嶽神社、山梨の七ツ石神社の畏怖と神秘の怪異譚など全30話収録!
元神話学教授のチーズ職人の家に養子として迎えられた、難病のミミズ研究者の物語「闇夜、黒い大地と黒い山」。鳥の声を聴き取る自閉症の鳥類行動学者が、母の死をきっかけに聴力を失い、新たな言語を構築していく「人はいかにして言語を学ぶか」。植物状態にある恋人のツリークライマーに負い目を感じる主人公が、臨死体験を利用した治療法に身を委ねる「アイスシールドの森」。無差別殺人事件で妻を失った弁護士が、未完成の妻の小説に登場する絶滅種を追い求める「雲は高度二千メートルに」。海に惹きつけられた四人の男女が、絶滅したクロマグロを探す旅に出る「とこしえに受胎する女性」。中華商場で子どもたちを魅了した一羽の鷹と、その持ち主である叔父さんをめぐる追憶の物語「サシバ、ベンガル虎および七人の少年少女」。緩やかに連関しつつ紡がれる自然と人間の大いなる物語。現代台湾を代表する作家のネイチャーライティング・フィクション。
あさ、めがさめるとあめがふっていた。ぼくはそとにいきたくてたまらない。あめのなかであそびたいんだ。でも、おじいちゃんは、あめがやむのをまとうっていう。ようやくあめがやむと…?雨を楽しむ気持ちをていねいに描く、ファンタジックなわくわくする絵本。5さい〜
人生は、「山」に関することさえ研鑽を積めば十分。登山歴70年の著者が、独自の視点で知られざる深田久彌の人間性に切り込む。“山”と“人”をテーマに深い知見と小気味よい文章で綴る珠玉のエッセイ集。
数カ月の休暇のあと、看護師のルーシーは仕事に復帰した。その初日、彼女は信じられない話を耳にする。コナーが小児科長として病院に戻ってきたというのだ。なによりも仕事を優先し、恋人だったルーシーを捨てていった彼。医師としてさらに出世するためアメリカへ渡ったはずなのに、なぜ今になって戻ってきたのかしら…?その答えは、ルーシーが恐れていたとおりだった。コナーは、別れたあとで彼女が密かに産んだ娘に会いに来たのだ!そして、娘の正式な父親になるためならなんでもすると言い放つ。ルーシーは不実な彼を信じられず、なんとしても娘を守ると心に誓った。