狂人の兄の影におびえながら、常に何者かに変わろうとしていたボウイーは、ステージを降りてもその仮面をはずそうとはしなかった。人々は、驚き、困惑し、称賛し、無視した。嵐のような生き方のその全体像をとらえる。
華やかなりし時代のウィーンの音楽生活を生き生きと魅力的に再現。ウィーンのつくりあげられた虚像を排し、古今のできるかぎり多くの資料を駆使して実像に迫る。
モーツァルトの町。小さなローマ。アルプスの北のフィレンツェ…。幻視したザルツブルクの町からは確実にモーツァルトの予感が響いてくる。
マーラーと20年間にわたって親しく交際し、そこで体験したことを日記に記録したN.B=レヒナーの手稿をもとに、大作曲家の実像を再現する貴重な歴史的資料。個人的経験から生まれた報告とはいえ、ここにはマーラーの生き生きした人間像が克明に描かれている。
夢と憧れにみちたピアノ協奏曲がショパンの青春の音による記念碑なら、若き日の手紙は、愛と苦悩の文字による実像と言える。多感な心をそのままに映し出す手紙を軸に、最新の研究も採り入れ、祖国ポーランドの激動期にショパンは青春をどう生きたかを鮮やかに描く。
クラシック、ジャズ、エスニック…今、人間の耳は、再びアコースティックな音を求めはじめた。“生”の音を感性でクリエイトする未来のエンジニアたちへ、プロフェッショナル・レコーディング・テクニック。
巨匠から新鋭まで、最新CDとヴィデオ・ディスクの中から25枚をとりあげ、きくべきポイントを滋味溢れる文章で語る。
不世出のプリマドンナの語るオペラ歌唱の真髄。これは第一人者マリア・カラスにして初めて語ることのできる〈伝統〉-すなわち、楽譜や書物からはうかがい知ることのできない、オペラの歌い方に関する慣習についての本である。
1986年から87年にかけてのボストン交響楽団のシーズンはマーラーの一連の演奏と録音、さらに「ヴォツェック」の上演をかかえる重要な年であった。そのなかで起こったひとりの管楽器奏者と指揮者との確執問題を通して、リハーサルから本番までの日常の活動と過程を追いながら、オーケストラと指揮者の関係をジャーナリストの目で鋭く、ヴィヴィッドに描いたドキュメンタリー。
「時代の証人」ショスタコーヴィチの交響曲に多難だった彼の生涯を思い、若きミケランジェーリの弾くバッハに清らかな人間の歩みをきく-。今世紀に生まれた新しい曲や表現の魅力を文化史をまじえながら語る。
マーラー・ドビュッシー・ストラヴィンスキーをその時代とともにヴィジュアルに紹介。
人はどうして踊り始めたのか。何をきっかけに空へ向かって跳躍するようになったのか。ポワントなどのバレエ・テクニックはどのように考案されたのか。あらゆる時代のあらゆる場所で、愛されつづけてきた美の芸術バレエ。まだまだ謎の多い、その魅惑的な世界の長い歴史をふりかえる。