ドイツ民族の中を流れる最も民族的なものに愛着を感じ、そこに民族の魂の発露を見たグリム兄弟がとらえたメルヘンの世界。本書には表題作のほか、『水の妖精』『悪魔とその祖母』『名親としての死神』『幸福のハンス』『三人の糸紡ぎ女』『狼と七匹の子やぎ』『赤ずきん』『いばら姫』『狐と鵞鳥』など38編を収録。人の心を美しく気高くするグリム童話の真髄を伝える小品集である。
音楽様式-音楽の形式、音楽の基調となる思想、リズムや旋律や和声の特徴-は、それぞれの時代の生活文化と密接に関連している。その背景を知り、音楽作品をそれが生みだされた状況のなかで捉え直すことは、音楽するものの理解を一層深めることになるであろう。本書の中心課題は、音楽の本質的な要素である“音”が、各時代の時代精神のもと、どのような表現形態を獲得したかを示すことにある。
歌うための肉体的資産はだれもがもっており、その天与の能力をいかに開放すべきかを説き明かす。特に、経験と感覚に頼っていた従来の声楽指導に対して、科学的見地から多くの解剖図を使い、喉頭器官と喉頭懸垂筋肉網がどのような割合ではたらくかということによって、多様な音色が生れることを明快に立証する。名著の待望の翻訳。
本書は8年前発刊されて以来、〈実用的な楽典書〉として広く愛用されてきた。このたび、新版として稿を改め、各種の索引や表を加えたほか、理解しにくいとされているL’istesso tempo・調性判断・和声などに新たな方式や法則を加えて解説し、さらに使いやすく実用的な楽典書となった。付・音大入試問題と解答。