太宰文学の上方文化志向を、一括して論じた。没後40年に問う野心的太宰論。
源を琵琶湖に発し、大阪府を大きく二つに分けて流れる大河淀川が、悠久の流れのなかに育んできた流域の歴史・文化・文学をテーマとした論考11篇と、自然の淀川のみでなく、淀川を往来した人々の流れを視野に入れた意欲的な淀川年表とを収めた。また興味深いテーマのコラムを配するなど、淀川をより身近に感じてもらえるよう工夫した。内容は、同学の所在地に近接する地域の古跡を広くたどった概説を巻頭に、総説としての「川の文化・川の文学」をおき、以降時代を追って、淀川の文化と文学に関する論が展開されている。
江戸時代後期に出版された『河内名所図会』と『和泉名所図会』は南大阪地域の名所案内であり当時人気の旅行用ガイドブックであった。本書では、現地を実際に訪ね歩いた著者が、名所・旧跡の中でも取分け興味深い80項目を選び、名所図会の挿絵80点余り写真約120点と共に現在の様子や伝承を紹介する。歴史を学ぶ面白さを体感できる現代版名所旧跡道案内書。昔と今を結ぶ名所旧跡道案内。
戦後上方落語界を拓いた四天王(笑福亭松鶴・桂米朝・桂文枝・桂春団治)の継承者、枝雀・仁鶴・春蝶・ざこば・小米・南光・松葉・千朝・吉朝・喜丸。彼らは、師の芸を受け継ぎながら、独自の芸風をいかに創り上げていったのかー著者は鋭い批評眼によって、その謎を読み解いていく。枝雀と仁鶴の意外な共通点、ざこば・南光の芸に息づく米朝・松鶴の芸脈、早世した春蝶・松葉・吉朝・喜丸の人と芸、さらに大阪での立川談志の素顔など、興味深い事実も初めて明らかにされる。「優れた芸を記録し、広く世に知らしめたい」という想いで綴られた、珠玉の随筆集。
昔と今を結ぶ名所旧跡道案内。寛政3年(1791)刊の『大和名所図会』は楽しい挿絵と共に、大和の名所旧跡の歴史や伝説が盛り込まれ、旅心をかきたてる観光案内書であった。本書では奈良の名所旧跡を踏破した著者が、その中から114項目を厳選し、多くの挿絵・写真と共に歴史とロマンの宝庫“大和”の魅力を紹介する。
5代目松鶴の芸風は、いかにも大阪の落語家らしい派手さと、綿密な考証による緻密さとをあわせそなえたものであった。息子の6代目は『三十石』『天王寺詣り』など、父譲りの笑福亭の家の芸ともいうべきネタを後代に伝える一方、自らは豪放な語り口で多くの落語ファンを獲得した。この1冊は、その親12代にわたる十八番のネタの数々から、100篇を厳選し、速記の形で編集したものである。三田純市の選考による、「上方落語」の決定版。
新資料やエピソードを豊富に用いて、大阪で活躍した十人の俳人の〈人と作品〉を浮き彫りにした。大阪俳句史研究会の成果。
新資料やエピソードを豊富に用いて、大阪で活躍した九人の俳人の〈人と作品〉を浮き彫りにした。大阪俳句史研究会の成果。
江戸浮世絵だけが、日本の浮世絵ではない。近世寛政期以来、上方で庶民に親しまれ、写楽にも影響を与えたといわれる、豊饒な上方浮世絵の世界があった。しかし残念ながら、その世界は省みられることなく今日に至り、我が国よりはむしろ海外での評価が高かった。本書は、その埋もれていた上方浮世絵を掘り起こし、長年にわたり調査研究を行って来た一研究者の真摯な探究書である。父子相伝として唯一、五代続く長谷川小信とのインタビューを巻頭に掲げた。
髪の毛の基本や表現方法を練習・応用して自分なりにアレンジ、様々な角度で掲載された67種類以上の男女の実用的なヘアスタイルはトレースも可能でイラストに役立てられる!
上方の中堅・若手落語家が切磋琢磨する“花花寄席”での演目を収録するシリーズのベテラン編。創作落語で知られる桂三風による「振り込め!」ほか、桂文昇、桂坊枝、桂あやめ、林家小染、桂楽珍の5噺を収録する。