「乳頭の色は?」鶴光と仁鶴の一番弟子、仁智の上方艶笑落語。鶴光の「初天神」は庶民の生活描写が細やか。仁智の「びっくり解体新書」は身体の各パーツが語り出すというシュールな創作落語。味わいの深さでは圧倒的に鶴光が上。鶴光は84年、仁智は86年の収録。
1に続き上方漫才の濃いところがタップリ味わえる。かしまし娘で始まりフラワーショウで締めるという構成もうれしい。美花二輪(?)に挟まって柳次・柳太、ラッパ・日佐丸、そして宮川左近ショウと今はなき道頓堀の角座の舞台が眼前に広がる。
2〜30年前の音源を中心にまとめられた10枚組全集。仁鶴の落語を音だけでしっかり聴くと、音の上での楽しみが実に多いことに気づく。たとえば否応なくクローズ・アップされるのが、一定の声音で切れ目なく語る技術。ここから生まれるテンションの高さと、観客の集中力が一致するときに仁鶴流の“語り芸”が生まれてくるのだ、というようなことを冷静に考察できたり。おそらく舞台が見えたら、まったく別な感じ方をさせられるに違いないのだが。これだけの内容に、ブックレットがやや不釣り合いなのが少々残念。
84年収録の「うれしカルカル」仁鶴とタイガース命、春蝶はんの艶噺。艶噺といってもギラギラしたものはなく、どちらもじっくり聞かせる。とりわけ春蝶さんの名調子が懐かしい。解説が初回のままで「春蝶さんは健康に気を遣い云々」の記述がいささか悲しい。
NHK大阪が収録、上方落語の名演を紹介するシリーズの第3弾。2005年に惜しまれながらこの世を去った、上方落語の四天王のひとり、五代目桂文枝の熱演の数々をまとめている。ほとんどが初商品化。
上方落語を代表する落語家の名演集シリーズ。本シリーズの最大の魅力は、昭和期の高座だけを収録している点で、脂の乗った頃の名演ばかりを10枚に厳選収録。人間国宝ならではの質の高い落語を堪能できる。
人気アニメ『テニスの王子様』からのキャラクター・シングル。本作は、柳蓮二による約2年ぶりの作品だ。彼のキャラクター性を活かしきった渾身の仕上がりとなっており、ファンは聴き逃せない。
漫才、落語、喜劇、浪曲、講談、諸芸、メディア、作家・裏方、劇場・寄席ー。上方演芸の総覧としてその歴史と魅力を集大成。笑いの芸、その源流から現在まで、そして未来をも展望する。
本書は『上方文化講座 曾根崎心中』につづくシリーズ第二作。文楽界の名手たちと文学研究科スタッフが『菅原伝授手習鑑』「寺子屋」の世界を鮮やかに照射する。
上方の中堅・若手落語家が切磋琢磨する“花花寄席”での演目を収録するシリーズのベテラン編。創作落語で知られる桂三風による「振り込め!」ほか、桂文昇、桂坊枝、桂あやめ、林家小染、桂楽珍の5噺を収録する。