5代目松鶴の芸風は、いかにも大阪の落語家らしい派手さと、綿密な考証による緻密さとをあわせそなえたものであった。息子の6代目は『三十石』『天王寺詣り』など、父譲りの笑福亭の家の芸ともいうべきネタを後代に伝える一方、自らは豪放な語り口で多くの落語ファンを獲得した。この1冊は、その親12代にわたる十八番のネタの数々から、100篇を厳選し、速記の形で編集したものである。三田純市の選考による、「上方落語」の決定版。
太宰文学の上方文化志向を、一括して論じた。没後40年に問う野心的太宰論。
上方芸能各分野の第一人者52人が登場。それぞれの芸の神髄と人物像に迫る上方芸能への手引書。
死んでも死にきれなかった一人の人間の魂の遍歴を収録。
OL兼コラムニストの酒井順子が綴る冴えるテレビエッセイ。芸能人の意外な学歴、クイズ番組解答者たちの人間模様、ドラマやCMでの耐えられない瞬間、人気朝番組によるライフ・スタイル判定…など。
芸の世界でのたうつ鬼どもの哀歌。第71回(1974年)直木賞受賞作『鬼の詩』はじめ、鬼気迫る芸の鬼たちの生きざまを、狂気と哀切のなかに描いた作品5編を再編。松竹映画「上方苦界草紙」の原作。
新資料やエピソードを豊富に用いて、大阪で活躍した十人の俳人の〈人と作品〉を浮き彫りにした。大阪俳句史研究会の成果。