日本が女王卑弥呼のころの中国は三国(魏・蜀・呉)の曹操・劉備・孫権が活躍する戦乱の時代だった。志をおなじくして劉備につかえた、名軍師・諸葛孔明の一生をえがく。
本書は、1958年に京都大学生物誌研究会と日本民族協会の後援のもとに行なわれた探険の記録である。ヒマラヤで最も山奥のドーラギリ峰北方高原に今も残る奇習“鳥葬”や、とりわけ未開といわれたこの地域のチベット人の日常生活及び個性豊かな探険隊員の内幕、また異民族の中の人間関係の調整などが克明に綴られている。秘境ヒマラヤへの旅を結晶化させた人間味溢れる不滅のフィールド踏査の書。
本書は仏陀の言魂でつづられた書である。ある章には、仏典さながらの、仏陀の獅子吼があり、また別の章には、人類史上空前の悟りが展開されている。
寝たきりの生活を続ける伯父ジョージと成人後も無気力でまったく働く気のない息子クリッフィー。息のつまるような現実のなかで、イーディスは次第に自らの狂気に陥ってゆく。やがて彼女は日記に記す…。「現実と夢の世界との差は、耐えられない地獄だ」。ハイスミスが現代の“狂気”を冷たく、乾いた筆致で描き切った傑作、待望の翻訳刊行。
ニューヨークの喧噪を離れ、ペンシルバニアの片田舎で、執筆活動のかたわら夫や息子と穏やかに暮らすことを夢見たイーディス。だが、夫の伯父ジョージの突然の闖入によってその夢は脆くも崩れ去ってゆく。そんなときイーディスに残されたものは、一冊の厚い日記帳だけであった。やがて彼女は日記に描かれたもう一つの別の世界、彼女自身の幻想を生きはじめる…。
ぼくのお父さんは、サメの研究をしているので、サメのからだのしくみやめずらしい話をたくさんしてくれたり、見学につれていってくれるんだ。サメってこわい魚だと思っていたけど、人間の生活にも役立っていることがわかった-。科学的な事実をもとにわかりやすく書いた、少年とサメのお話。小学中級から。
この世であってこの世でない、宮部ゆみきの怪しい世界七篇。「せんせい、あそぼ」とささやく幻の少年の正体は…。
環境に応じて7色に変わるカメレオン色素、表面の蜂の巣構造によって不思議な色合いを出せるアルミニウム、気体でも液体でもない超臨界流体、あたかも生命でもあるかのようにふるまう特殊高分子など、現代の化学は数々の特筆すべき機能を持った先端材料を生み出しています。本書では、もはや1つ1つの分子のデザインさえ問題になってきた機能材料研究の最前線を紹介してゆきます。
オサナアソビゴコロ星のあくびヶ丘には、きょうも、アイシテルと仲間たちがあつまっています。そこへあらわれたのは風博士と土博士。土の子どもボコボコに、大木ベルベルウッドの病気をなおしてほしいというのです。ボコボコはアイシテルといっしょうに、2千年も生きつづけるベルベルウッドのもとへー。巨大な木の中にひろがるひみつの世界で、ふたりの冒険がはじまります。小学中級から。