ヨーロッパで生まれた科学的な医学は、それまで治療不可能とされていたさまざまな疾病にたいする有効な対応策を提示した。その効力はヨーロッパ社会だけではなく、世界中で認められ、受容されていった。この近代医学をわれわれは西洋医学と呼んできた。しかし、欧米社会では科学的な医学に批判的な、さまざまなオルタナティブ医療も人びとのあいだで根強い人気を獲得してきた。本書では、近代医学の展開とオルタナティブ医療信奉者の活動をあわせてみてゆくことによって、ヨーロッパに併存する多様な価値観に光をあててゆく。
原始の森林に無一物でほうりだされたとき、いちばん役に立つ家畜とは?ニワトリの驚くべき鉄の胃袋、六本の角をもつヒツジ、空が暗くなるほどの数で何日もつづくハトの群れ、イヌの敵討ち、スピッツベルゲン島の鳥の集会など、びっくりするような話が盛りだくさん。
まことの救い主を求めて、一生をささげる人の姿が、いかに美しいものであるかを、あますところなく描き出したキリスト教文学の世界的傑作。
ひとりじめして友達を困らせているこぐまくん。でも、ある日、気づきます。「ひとりでしても、楽しくないなあ」。さあ、こぐまくん。どうやって、みんなと仲直りするのかな?しつけ絵本シリーズ第1弾。どうすればみんなと仲良く遊べるかを考える絵本。
行き場を失ったエネルギーが男も女も不幸にする?女性のからだについて、思春期、月経、性、出産という、もっとも本質的なことについて再考する。
教科書には必ず取りあげられる「武士と荘園支配」。古くからのテーマであっても、つねに新しく魅力的な課題である。フレッシュで躍動的な武士像をお見せするために、本書ではいくつかの切り口ー山野河海・流通・差別と用意した。武力を背景に、所領である現地・荘園を、武士はいかに支配したのか。あらゆる利権を貪欲にあさりつづける武装した総合商社、そんな風に中世武士団を考え直してみた。
この一言でビシッと決める!仕事でも、プライベートでも、毎日のように「コメント」をすることが求められている。今の知識と教養のままで、どう切れ味をよくするか?優れたコメントを集めた「コメント力トレーニング集」を使って、そのコツをつかみ、「コメント力」を意識化することで磨いていく。
気運が来るまで気長く待ちつつ準備する者が智者。気運が来るや、それをつかんでひと息に駆けあがる者が英雄。-それが庄九郎の信念であった。そして庄九郎こそ、智者であり英雄だった。内紛と侵略に明け暮れる美濃ノ国には英雄の出現は翹望する気運が満ちていた。“蝮”の異名にふさわしく、周到に執拗に自らの勢力を拡大し、ついに美濃の太守となった斎藤道三の生涯。
すさまじい進撃を続けた織田信長は上洛を遂げ、将軍に足利義昭を擁立して、天下布武の理想を実行に移し始めた。しかし信長とその重臣明智光秀との間には越えられぬ深い溝が生じていた。外向する激情と内向し鬱結する繊細な感受性ー共に斉藤道三の愛顧を受け、互いの資質を重んじつつも相容れぬ二つの強烈な個性を現代的な感覚で描き、「本能寺の変」の真因をそこに捉えた完結編。
庭の隅や道端にひっそりと息づく苔たちは、見るものに安らぎを与えてくれる。インテリアとしても人気があり、美しい苔を求めて寺院や庭園を訪れる人も少なくない。ふだん見慣れた苔だが、その一生はどのようなものなのか?乾燥や寒暖など厳しい環境を耐え抜く適応能力の秘密とは?コケ植物の専門家が、知られざる生態をわかりやすく解説。私たちの生活や文化との深い関わりにふれながら、その魅力を余すところなく伝える。
チャールズとレイは「20世紀の座り方」を変えた。だが、彼らは座り方を変えただけではない。座った後に目にするもの、室内の様子や、室内の画面に映し出される映像を変えた。彼らは変化を生み出し、変化を予見し、ひとつの方向を示した。芸術と技術が手を結び、伝統が変化の足がかりとなり、専門的な知識が楽しく学べる、そのような道を示した。
太平洋戦争で、日本はなぜ敗れたのか。本書で説く「克己心の欠如、反省力なき事、一人よがりで同情心がない事、思想的に徹底したものがなかった事」など「敗因21カ条」は、今もなお、われわれの内部と社会に巣くう。そして、同じ過ちをくりかえしている。これらを克服しないかぎり、日本はまた必ず敗れる。フィリピンのジャングルでの逃亡生活と抑留体験を、常に一貫した視線で、その時、その場所で、見たままのことを記し、戦友の骨壷に隠して持ち帰った一科学者の比類のない貴重な記録。ここに、戦争の真実と人間の本性の深淵を見極める。第29回毎日出版文化賞受賞の不朽の名著。
閑静な町並みの、とある隠居所で紙問屋「美濃屋」の遣り手の主人・富右衛門が、全裸死体で発見された。南町同心の惣十郎は現場で、少し甘いような上品なにおいに気づく。そしてそれが「伽羅千尋」という高価な香だということをつきとめる。犯人が残したものなのか!?心が行き違ってしまっている妻を気にしながらも、惣十郎は探索に精を出すが…。市井に生きる男と女の愛と憎しみの果てを描く、書き下ろし時代ミステリー。大好評の南町同心早瀬惣十郎捕物控、待望の第二弾。