企業にとってもサラリーマンやその家族にとっても、国際化は文字通り身近なものになりました。「一社一人駐在」の海外勤務も目立っています。米、アジアの第一線で働く日本人とその家族を取材し、この一冊にまとめました。
祖国ルーマニアを去り、パリに移り住んで三年。のちに、フランス語による呪詛と冷笑の著作で「暗黒のエッセイスト」の名を馳せることになるシオランの、これは母国語で書いた最後の一冊である。「熱狂的なリリシズム」にとらわれていたという当時の彼ならではの、屈折した詩的文体の妙味を存分に味わえる。
「タジェナ山脈だ…」数々の苦難を乗り越えて、カイルロッドは遂にタジェナに辿り着いた。出会った人々の面影がカイルロッドの脳裏をよぎる。いよいよムルトを倒し、ルナンの都を救うのだ。雪に覆われたタジェナを登って行くカイルロッドたち。彼らを、化物たちは執拗に攻撃してくる。そんな化物を毛散らしたカイルロッドの前に、途中の街で出会ったヴァランチーヌが現われた。「どうしてもムルトを倒すというのね」その声にあるのは敵意や殺意ではなく、深い悲しみだった…。急転直下のシリーズ第6弾。カイルロッドよ、まばゆく輝き、闇を討て。
1888年、ニーチェを精神錯乱が襲う直前に、彼はその悲劇を予感するかのように、精力的に著作活動に従事する。ヴァーグナーとその運動への宣戦布告の書『ヴァーグナーの場合』『ニーチェ対ヴァーグナー』。そして、すべての価値の価値転換の書『偶像の黄昏』『反キリスト者』。キリスト教においては、生を強化するものが悪とされ、弱化するものが善とされる。すなわち、それは、強者に対する弱者のルサンチマンの所産にほかならない。ニーチェ最晩年の激烈の思索。
本書は、事故の全経緯を豊富な取材に基づいて検証し、事故の原因をはじめ、常に軍事利用を伴って進められた増殖炉開発の歴史、推進勢力の奢りと腐敗、そのハイテクノロジー偏重体質のもたらした基礎技術の軽視、浪費を前提にしたエネルギー政策、などの問題点を多角的に論じながら、脱プルトニウム社会への方向性を提起する。
スキャンダルと美意識の間。絵画と批評、美学と政治学が交錯する地点で「近代芸術」の成り立ちそのものを問い直す。
時は三千年代後半、金星に起こった異変の調査に赴いた調査局員シロウズは、異星人文明によると思われる巨大な建造物を目にし、彼らの滅びの声を聞く。さらに冥王星、地球でもやはり異星人のものである巨大宇宙船が発掘される。時空を超えた一連の事件は一体、何を意味するのか?悠久無限の宇宙における、人類の儚さと、文明の未来を詩情豊かに描き切る不朽の名作。
『ジークフリート』で愛への熱烈な讃歌を歌いあげた若い二人、ジークフリートとブリュンヒルデ。アルベリヒの呪いによって滅亡を目前にした神々を、二人の愛は果たして救うことができるのか。運命の女神の綱が切れ、不吉な未来への予感が漂うなか、ブリュンヒルデに貞節の印の「指環」を渡し、新たな冒険へと旅立つジークフリート。しかし、アルベリヒの子ハーゲンの奸計が若き英雄の行く手を阻む。忘れ薬を飲まされたジークフリートはブリュンヒルデを忘れ、グートルーネに求婚。彼女の兄グンターと、ブリュンヒルデを結婚させようとする。ジークフリートの裏切りに苦悩し、愛の復讐を誓うブリュンヒルデ…。「ニーベルングの指環」四部作のうち、ワーグナーが真っ先に構想したのがこの第三夜『神々の黄昏』。壮大な大団円に向けて、究極の悲劇が、いよいよ幕を開ける。
本書は、核燃料サイクル施設の、破綻の現実を分析する。
さようならナンシー画伯。日本最高のTV批評コラム最終回。
没にされた幻のプロローグ。独眼竜政宗にはだかる壁、若き幸村の悩み…。シリーズでは決して語られなかった五つのエピソード。