素粒子から星や銀河まで、生命誕生から意識の謎まで、さまざまな秩序と構造をもたらす物理的な原理を見ていきながら、宇宙の年表に沿って読者を時空の旅へといざなう。人の寿命は限られているが、宇宙における生命と心という現象もまた、限られた時間しか存在しない。そしてはるか先には、物質すら存在できないときが訪れる。この進化する宇宙の中で、ほんの束の間、まったく絶妙な瞬間に存在する私たち人間を基点に、時間の始まりであるビッグバンから、時間の終わりであるこの宇宙の終焉までを壮大なスケールで描き出す。
一八世紀後半から二〇世紀前半にいたる西洋音楽史は、芸術音楽と娯楽音楽の分裂のプロセスであった。この時期の音楽が一般に「クラシック音楽」と呼ばれている。本書は、「クラシック音楽」の歴史と、その前史である中世、ルネサンス、バロックで何が用意されたのか、そして、「クラシック後」には何がどう変質したのかを大胆に位置づける試みである。音楽史という大河を一望のもとに眺めわたす。
「玉座に座った最初の近代人」と呼ばれる神聖ローマ帝国皇帝フリードリッヒ二世の巧みな外交により、イェルサレムではキリスト教徒とイスラム教徒が共存することに。しかしその平和は長続きせず、現代では「聖人」と崇められるフランス王ルイ九世が率いた二度の遠征は惨憺たる結末を迎え…。「神が望んだ戦争」の真の勝者は誰なのかー。『十字軍物語3』を文庫第三巻、第四巻として分冊。
登極から半年、疾風の勢いで戴国を整える泰王驍宗は、反乱鎮圧に赴き、未だ戻らず。そして、弑逆の知らせに衝撃を受けた台輔泰麒は、忽然と姿を消した!虚海のなかに孤立し、冬には極寒の地となる戴はいま、王と麒麟を失くし、災厄と妖魔が蹂躙する処。人は身も心も凍てついていく。もはや、自らを救うことも叶わぬ国と民ー。将軍李斎は景王陽子に会うため、天を翔る!待望のシリーズ、満を持して登場。
なにげない日常生活の中で知らぬまに忍び寄る黒い影。それは〈恐怖〉というものにかわり、人々の心に巣喰っていく…。人生の終着駅にみた恐怖を描く表題作のほか、七編。著者自ら、選びぬいた最高級のホラー短編集。
2006年リリースの2ndアルバム。シングル曲「修羅場」のほか、ライヴDVD“Dynamite”シリーズに収録されていた「スーパースター」「透明人間」など、全11曲を収録。タイトル通り“大人”を感じさせる快作だ。
大反響を呼んだCMソング、「黄昏のビギン」を含む全32曲の2枚組。演歌だけでなくポップスからジャズまでも見事に歌いこなす抜群の歌唱力は、いつの時代でも聴く者の心を強く揺さぶる。
アルバム発表、約3年ぶりの全国ツアーと精力的な活動を行なってきた、歌手デビュー10周年イヤーを締めくくる3枚組ベスト。これまでにリリースしたシングルや彼女が選んだ楽曲を収録。爽やかで表情豊かなヴォーカルが心に染みわたる。
NHKで放送されたTVドラマやドキュメンタリー番組のテーマ曲を集めたアルバム。古くは『花の生涯』や『新日本紀行』から、2009年放送の『天地人』までの楽曲を収録した2枚組。改めて名曲の多さに気づかされる。
7年ぶりのオリジナル・アルバムを発表するなど、完全復活を遂げた安全地帯の保存版BOXセット。オリジナル8作にサントラ、ライヴやオフショットを収めたDVDなどをまとめたもので、CD12枚は高音質のSHM-CD仕様。まさにファン垂涎の内容だ。
加古隆が新たに結成したクラシカル・アンサンブルのデビュー作。結成の経緯はライナーに詳しい。三人の弦楽器メンバーは、長い間にわたって加古と共演を続けてきた顔ぶれだけに、イメージの共有は完璧だ。ピアノ・ソロ同様の緩やかな音楽に、輪郭とうねりを加えている。ひたすらに美しい。
ユーナへの抑えられない想いを自覚するアシュート。しかし、彼女が消えてしまう日は間近に迫ってきていてー。身代わり聖女の王宮ファンタジー、最高潮第3巻。
「どうしてここにいる?」暗がりで何者かに強く身体を捕らえられ、ポピーは震え上がった。社交シーズンの定宿ラトレッジ・ホテルで、いたずらなペットのフェレットを追いかけるうちに、偶然にも秘密の通路へと迷いこんでしまったのだ。そして暗闇で彼女を取り押さえた男こそ、めったに人前に姿を現さないというこの豪華ホテルのオーナー、ハリー・ラトレッジ本人。住む世界の違う謎めいたハリーと思わずキスを交わしてしまったその瞬間から、ただ平凡な結婚生活を夢見ていただけのポピーの運命は大きく狂い始めるー。今まで欲しいものはどんな手段を使ってでも、すべてつかみ取ってきたハリー。知性にあふれ、明るく魅力的なポピーに出逢った彼が、新たに手に入れようと決意したのは…。ハサウェイ家三女ポピーの純粋であたたかい愛が起こす奇跡。
「ようこそ森の国、リゾートピア・ムツへー」化学物質に汚染され、もはや草木も生えなくなった老小国・日本。国も命もゆっくりと確実に朽ちていく中、葉月夫妻が終のすみかとして選んだのは死さえも漂白し無機質化する不気味な施設だった…。これは悪夢なのか、それとも現代の黙示録かー。知らず知らず“原発”に蝕まれていく生を描き、おそるべき世界の兆しを告げる戦慄の書。3.11後、著者自身による2012年版補遺収録。
気弱な青年の森田彼岸が潜り込んだJCDC-日本疾病管理予防研究所は、感染症については国内NO.1の研究所。だが所長の伊丹桜をはじめ、田崎美女らトップの研究者は、美人だがエキセントリックな言動で彼岸を圧倒する。しかも彼女たちは、さまざまな社会悪の原因となる特殊な“奇病”を追い、排除する奇病探偵でもあった!蔓延する自殺衝動、とある地域で急増するゴミ屋敷、とつぜん凶暴化する人々…。次々に研究所に持ち込まれる難事件を、田崎たちは周囲や彼岸に多大な被害を及ぼす、過激な手法で解決してゆく。だがその活躍を目にするうち、彼岸には疑問が生じる。どうして彼女たちはここまで手際よく対処できるのか。なぜ自分のような素人がこの研究所に受け入れられたのかー?やがて彼の危惧は最悪の形で具現化して…!?鬼才が描く傑作バイオニックサスペンスホラー!