いま、都市を呼吸する。愛のかたちが、ひそかに変わり始めている!透きとおったリリシズムを湛える11の都市小説集。
17年前別れた恋人道江の面影を胸に、越前岬へ向かった画家の佐伯城介が、寝台特急『北陸』の車中で出会った謎の女ー。翌日城介は、女が『トワイライトエクスプレス』のスイートで心中したことを知る。しかもその相手は、城介が道江と別れる原因を作った友人の郷原だった。事件を契機に道江と運命的な再会を果たした城介は、友人の不審な死と『北陸』で目撃した女の行動に疑問を抱き、真相追及に乗り出す。だが、その行く手に待ち受けていたのは衝撃の真実だった。
遠い昔、はるか彼方の銀河で…会見目前にしてコリオス星系に発生した恐怖の疫病“死の種”は、やはり組織的な陰謀によるものだった。拉致されたレイア・オーガナは、セティ・アシュガッドの屋敷でフォースを操るハット人ベルドリオンと、アシュガッドの秘書ズィムの会話から事件の真相を知り、自力で脱出を試みる。その頃、レイアのフォースに導かれたルークは新住民たちとともに、首都ウェグ・シャルを目指していた。しかしフォースの嵐吹き荒れるナム・コリオスには、フォースを操る第三・第四の人物がいた…。元首誘拐という最悪の危機を迎えた新共和国に、再び平和は訪れるのか!?『ジェダイの遺児』に始まる“カリスタ3部作”ここに完結。
不動産業を営む父が病に倒れ、シャーロットは仕事を手伝うため故郷に戻ってきた。初めはほんの短期間のつもりだったのに、いつしか六年が過ぎた。シャーロットも二十八歳。結婚の経験はないが、結婚に対しても男性に対しても夢は抱いていなかった。不満もない。仕事は順調で、生活も安定している。だが、この小さな町に別の不動産業者が乗りこんできたことで、将来が危うくなってきた。ライヴァルのオリバー・テナントは危険な男だ。魅力的で、しかもとても誠実だから、無関心ではいられないのだ。
ワシントンの黄昏時、フリーカメラマンのマータ・ブレナンはフィアンセのトニーとともに、彼の友人が主催するカクテルパーティへと向かった。トニーからもらったダイヤの婚約指輪を見ながら思う。わたしは彼の妻としてちゃんとやっていけるのかしら?わたしには忘れられない人がいるというのに…。二年前、マータは突然、恋人のジョシュから別れを告げた。以来、彼女はがむしゃらに仕事に打ちこんできたが、心の傷はまだ癒えていない。そんなことを考えながら、彼女はパーティ会場に入っていった。と、そのとき、マータの目は部屋の向こうに立っている男のうしろ姿に釘づけになった。彼女の視線を感じたのか、男がふりむくージョシュ…。別れを告げられた恋人との思いがけない再会に、マータは激しいショックと不安に襲われた。