「この著作は、一箇の魔神、しかも笑う魔神である」-「すべての価値の価値転換」を構想する中で、自身の思想の見取り図として書かれ、自ら「最も本質的な異端思想の要約」と呼ぶニーチェ最後の思想が凝集された究極の書が第一人者の鋭利にして詩的な新訳で甦る。ヨーロッパ文化を支配するあらゆる「偶像」を鉄槌で破壊しながら、「生成の永遠の喜悦」を呼び寄せる、いまだに新しいニーチェ哲学の精髄。
死んだはずの父を目撃したと知らされたテュカは、父を探し北の辺境へ赴くことを決断する。半ば強制的に同行させられることになった伊丹だったが、苦手な飛龍で移動しなくてはならず、旅はのっけから波乱含み。そして案の定、北の蛮地では妙な民族争いの火種が…否応なく巻き込まれていく伊丹とテュカ。しかし伊丹の様子が何やらおかしくてーかつてないスケールの超エンタメファンタジー!竜騎士伊丹、暴虐ケンタウロスとまさかの激突!?爆発的人気のネット小説!待望のシリーズ外伝参章!
「どうしてここにいる?」暗がりで何者かに強く身体を捕らえられ、ポピーは震え上がった。社交シーズンの定宿ラトレッジ・ホテルで、いたずらなペットのフェレットを追いかけるうちに、偶然にも秘密の通路へと迷いこんでしまったのだ。そして暗闇で彼女を取り押さえた男こそ、めったに人前に姿を現さないというこの豪華ホテルのオーナー、ハリー・ラトレッジ本人。住む世界の違う謎めいたハリーと思わずキスを交わしてしまったその瞬間から、ただ平凡な結婚生活を夢見ていただけのポピーの運命は大きく狂い始めるー。今まで欲しいものはどんな手段を使ってでも、すべてつかみ取ってきたハリー。知性にあふれ、明るく魅力的なポピーに出逢った彼が、新たに手に入れようと決意したのは…。ハサウェイ家三女ポピーの純粋であたたかい愛が起こす奇跡。
『ジークフリート』で愛への熱烈な讃歌を歌いあげた若い二人、ジークフリートとブリュンヒルデ。アルベリヒの呪いによって滅亡を目前にした神々を、二人の愛は果たして救うことができるのか。運命の女神の綱が切れ、不吉な未来への予感が漂うなか、ブリュンヒルデに貞節の印の「指環」を渡し、新たな冒険へと旅立つジークフリート。しかし、アルベリヒの子ハーゲンの奸計が若き英雄の行く手を阻む。忘れ薬を飲まされたジークフリートはブリュンヒルデを忘れ、グートルーネに求婚。彼女の兄グンターと、ブリュンヒルデを結婚させようとする。ジークフリートの裏切りに苦悩し、愛の復讐を誓うブリュンヒルデ…。「ニーベルングの指環」四部作のうち、ワーグナーが真っ先に構想したのがこの第三夜『神々の黄昏』。壮大な大団円に向けて、究極の悲劇が、いよいよ幕を開ける。
マット・ウォーカーの我慢は限界に達しようとしていた。この20年、彼は幼なじみであるフランキーを妹のように見守ってきたが、内心は兄らしからぬ感情で爆発寸前。というのも、恋愛恐怖症のフランキーは女性として見られることを極端に恐れ、少しでも彼が男の顔を出せば、野良猫のように逃げていってしまうからだ。しかし、さえない服と眼鏡の奥には、官能的な曲線と可憐なまなざしが隠れていることをマットは知っていた。進まない関係にしびれを切らした彼は、仕事という名目でフランキーをリゾートへ同行させることに…。
千代田中央銀行のエリートコースからドロップアウト、子会社のビルカム・チヨダの業務課課長・岩井。特性、不能。そんな岩井の恋人は、本社エリートコースまっしぐら、全女性社員憧れの的・小田原だ。岩井の不能をなんとか治そうとする熱烈な恋人の求愛と個性豊かな部下に囲まれ、岩井の毎日は淡々と過ぎてゆく。そんなある日、部下の真砂が失恋して!?愛しさは恋になるのか?岩井忠生&小田原保徳の愛しき日々、登場。
私立W大学文学部教授・神代宗 学生時代の冒険と事件。校内で出会った混血の美少年、小森から「絵のモデルになって」と頼まれた宗。小森の振る舞いに翻弄されながら、宗は「事件」に巻き込まれてゆく。贋作騒動、兄弟殺し、そして神代宗自身の謎。封印されてきた過去がここに甦る。「建築探偵」シリーズ外伝が書き下ろしで登場。
自身が“制錬石”を宿すための造られた存在であることを知ったミコト。呆然とするミコトの前に、殺意をもった襲撃者が現れる。その正体はかつて世界を救った勇者ハヤトー!?衝撃の展開から始まる『U:X(ユークロス)』第2巻!!
幾多の困難を乗り越え、テュカはついに父と感動(?)の再会を果たした。後は帰還するのみ…と思いきや、部族間の争いが激化し、伊丹やテュカの滞留する遊牧民の集落が他部族の連合軍に襲撃される事態に発展する。この動乱を治めるべく、圧倒的戦力を誇るケンタウロス軍の前に、一人立ちはだかる伊丹。オタク自衛官が飛竜を駆り、今、伝説の竜騎士となる!
作品の鑑定と修復のため、東京総合美術研究所に持ち込まれた古い絵画のなかに、ゴッホの死の謎を解く手がかりが見つかったという。しかし、そのことを“ゴッホです!”というメールで知らせてきた研究員・成瀬いずみが死体で発見される。状況から服毒自殺と思われたが、奇妙なことに彼女の片耳は茶色く染まっていて…絵画修復士の推理が光る驚嘆の美術&本格推理。