欧米各国の現場で、民主政治の衰退と権威主義の台頭を観察し、分析した思索的エッセイ。“ピュリツァー賞”受賞の歴史家・ジャーナリストが、「民主政治の危機の根源」を考察する、警鐘の書。トランプとトランプ主義を可能にしたものは何なのか?『ワシントン・ポスト』『フィナンシャル・タイムズ』の「年間最優秀書籍」に選出!「日本語版への序文」を特別寄稿!
太陽(ルイ14世)に憧れながら月光(狂気)に冒され、オーストリア皇妃を慕いつつも美しい青年の肉体に惑い、中世の夢想に耽る一方で19世紀末の政治的現実に倦む、バイエルンの青年君主ルートヴィヒ2世。壮大なワーグナーと絢爛たる城に暗い情熱を傾け、夢の王国と運命をともにした美貌の王の劇的生涯とその謎の最期。
十九世紀後半、壮大なワーグナーの音楽に取り憑かれ、絢爛豪華な城の建築に情熱を傾けたバイエルン王ルートヴィヒ二世。オーストリア皇妃を慕いつつ美しい青年の肉体に惑い、夢幻の王国の住人になっていった美貌の王の劇的生涯とその謎に満ちた最期を描く。
ー母さま、お顔が怖いよ!-幼き安倍晴明がこの言葉を口にした日から母は消え、晴明の心に闇が残った…。母は妖、父は人間という星のもとに晴明が誕生したのは平安時代。人語を解す不思議な白猫の白虎と貧乏貴族の父と寂れた屋敷で晴明は明るい美少年に育っていた。晴明14歳の時、宮中の陰陽寮(占いや呪術を行う役所)で事件が起きた。金毛九尾の狐に取り憑かれた娘・小野小町の身を案じ、あの世から父・篁が蘇ったのだ。まだ陰陽道を知らない晴明だが賀茂保憲との出会いをきっかけに事件に巻き込まれ…。そして、母と事件の意外な接点から晴明の宿命が明らかに。
没にされた幻のプロローグ。独眼竜政宗にはだかる壁、若き幸村の悩み…。シリーズでは決して語られなかった五つのエピソード。
ヨーロッパ随一の美貌を謳われ、世の讃美を一身に集めたエリザベト。しかし、妹の焼死、幼なじみのバイエルン王ルートヴィヒの狂死、マイヤーリンクでの息子の情死、そして自らも凶刃にー時代に先んじた自意識を持ち、宮廷生活を厭う皇妃に悲劇はふりかかる。
「桧山君、君も寮を引き払い、職員用宿舎へ移ってもらう。本日より兄と同室するように」(え、え、えーっ!?それは、お兄ちゃんと同棲しろっていうこと?)学園長の突然の命令を受けた夕姫は、不安と同時にまるで新婚夫婦のような状況にちょっぴり期待も抱いていた。だが、そんな浮ついた気分もどこかへ吹き飛ぶような事件が起きる。兄・銀嶺の持つ最高機密が、学園内に潜伏していた『連盟』のスパイに奪われてしまったのだ!学園総動員のスパイ狩りが始まった!MAXボルテージの学園サイキック・ノベル、第二弾。
光輪学園のクリスマス祭とは、恋人のいない者は異性との出会いを得るチャンスであり、すでにパートナーのいる者はお互いの仲を深め合うために外出が許される最大の年中行事である。だが、クリスマス祭のパーティーが始まろうとしたその時に事態は急変した。突如、米軍との軍事演習が始まってしまったのだ。お楽しみを諦め臨戦態勢に入った光輪学園の生徒たちをさらなる衝撃が襲う。なんと米軍の最新鋭戦車が模擬弾ではなく実弾を撃ってきたのだ!夕姫と連れだって街へと繰り出し、楽しい一日を過ごすはずだった銀嶺も、急いで学園にとって返す。流血の戦場と化した学園を、銀嶺たちは守りぬくことができるのか?ハイパーテンションの学園サイキック・ノベル、第三弾。
ダイイングメッセージ、クローズドサークル、犯人特定の論理、読者への挑戦ー。第1部では探偵小説を語る上で不可避の論点に、エラリー・クイーン初期の傑作『ギリシア棺の謎』『シャム双子の謎』などを引きながら挑む。第2部では“第三の波”とポストモダニズムの照合によって浮かび上がる、探偵小説の歴史的位相を鮮やかに解明する。法月綸太郎氏との対談も収録。話題を呼んだ『ミネルヴァの梟は黄昏に飛びたつか?』に続く鮮烈な評論集。
長きにわたる「連盟」と「協会」による“稀人”同士の抗争。全世界的規模で急速に拡がる“稀人”排斥の気運。これらはすべて一人の老人による謀略の結果であった。その老人の名は赤目。彼もまた超能力を持つ身でありながら、“稀人”の抹殺を画策していたのだ。先の闘いで最強の戦士・古雅銀嶺を失った“稀人”たちは、窮地に追いつめられていた。しかし、赤目の思い通りにこのまま滅ぼされるわけにいかない。愛する兄を失った桧山夕姫は、残された仲間たちとともに、決死の覚悟で最後の闘いの場へと赴く!激情と慟哭のサイキック・ノベル、圧倒的迫力のクライマックス。
彼女は、ずっと考えていた。人と関わらず、孤独な人生。それで、いいのかと。だから、決めたのだ。自分の“心”を形にして詠び出せる、名詠式を学ぶことを。そうすれば、少しでも彼に…何かを伝えられるかもしれないからー。『Keinez』・『Ruguz』・『Surisuz』・『Beorc』・『Arzus』-この五色を基本に、呼びたいものと同じ色の触媒を介し、名前を讃美し、詠うことで招き寄せる名詠式。その専修学校に通うクルーエルは、年下の転校生で、異端の夜色名詠を学ぶネイトに興味を抱く。一方、学校を訪れた虹色名詠士・カインツもまた、夜色名詠の使い手を探していて…!?第18回ファンタジア長編小説大賞佳作受賞作。“君のもとへ続く詠。それを探す”召喚ファンタジー。
わたしは逃げた。世界から目を背けて。大切な人を救わずに、逃げろと言われて、ただ怯えて。…でも。それからずっと心の中で、声が響いている。-本当に何も、できなかったの?-心に想い描いた世界を招き寄せる召喚術・名詠式。その専修学校トレミア・アカデミーの夏期移動教室で、原因不明の石化事件が発生した。類希な名詠式の力を持つクルーエルは、強すぎる己の力を使うのをためらっていた。しかし、彼女は級友たちの危機に直面し、ある選択を迫られる。そして、もうひとり。名詠式を学びながら、名詠士ならざる才能を秘めたエイダ。彼女もまた、事件を通じて自分の生い立ちと向き合うことになる…。自分の進むべき道を探す、召喚ファンタジー第2弾。