売れないミュージシャン・音無のもとに、アーティストとしてCDデビューする話が舞い込む。これが世に出る最後のチャンスと、音無はアルバム制作にすべてを賭けるが…。自分が、何者でもなかったことに気づいた時、夢は静かに消えてゆく。黄昏の残照のように-。夢、焦り、絶望、そして孤独…、青春の残酷な結末は。
荒野に響く孤高の叫び。高度に組織化された社会は、そこからこぼれ落ちた個体をたやすく圧殺する。愚直なまでに誠実さを貫く魂による真実の声。
報われぬ愛は時として全てを超え美しいその切なさ、そして儚さ故に…命と引き換えに唯一つ望みが叶う彼女は迷いなく選んだー。
中央大学、早稲田大学、法政大学、と、数々の大学受験に合格しながら、世の中の矛盾に怒り、理不尽に心を痛め、なお叫ぶ事を辞めない心優しきライゴン茂の、真実の声。
第二次大戦末期。負傷して不自由な身となったプロコフスク伯爵大佐は、親衛隊長官ヒムラーの謎の指名により、ロシア軍の迫る強制収容所で起きた所長夫人殺害を調査することになった。捕虜が毎日のように殺戮され、ナチ軍人とその家族に爛れた関係がはびこっている収容所内で、プロコフスクは錯綜する人間関係を縫って犯人を突き合めようとする。だが彼のあずかり知らぬところで、ある巨大な陰謀が進行していようとは…。『将軍たちの夜』に比肩する奥行きと迫力の、MWA最優秀処女長篇賞候補作。
時は戦国、氷上の名主に拾われたコナタは快活な少年だった。しかし、戦の終わった戦場で青の魔剣と出会った日から、コナタの運命は一変する。己の出生の秘密を知ったコナタは、運命の導くまま「男でありながら女であるもの」へと変化して京に上る。一方、赤の魔剣の所有者シナは織田信長の元にあった。二振りの魔剣が再び相まみえ火花を散らすー。長編歴史ファンタジー、完結編。
酒類業界の雄として常に時代をリードしてきたサントリー。だが、時代変化の波は、いま怒涛となって襲いかかろうとしている。新たな潮流はどこへ向かうか。そして、サントリーは生き残れるか。28年間の社員としての経験をベースに客観的に分析。本書は現場からみた企業論であり、一つの時代ウォッチングの書である。
ひとつ、一夜の終わりを告げた、山の麓で鬼さがし。ふたつ、福なる黒羽に、鬼に魅せられ穴を掘る…。子供たちが歌う不思議な数え唄に導かれ、スゴ腕のトレジャーハンター有賀彰は秘宝“鬼の御魂”を手に入れるため、神谷村へやってきた。遺跡の発掘が進む村の中で、彰は3人の美少女たちに出会う。彼女たちの出生にまつわる秘密がお宝さがしの重要ポイントなのか?ホラーたっぷり、恋とバトルのてんこ盛り。ティアラの超人気アドベンチャー・ゲームを小説化。