心理学者のジルは、情緒障害の娘を持っているテキサスの牧場主ケイド・ソーントンに請われて、はるばるテネシーからやってきた。早速、彼女の治療にとりかかったが、心理分析をすすめていくうち、問題があるのは娘のデビーではなくケイドの方であることがわかる。かれはかつてホテル火災で妻と3人の息子を亡くしており、たった1人残ったデビーを失うのを恐れるあまり、デビーに子どもらしい生活のすべてを禁じていたのだ。初めて会ったときからケイドに惹かれるものを感じていたジルだが、過去にとらわれて現実を直視しないケイドの態度にいらだちを感じる。
萩野朔也の初恋は、高校生の時だった。相手は大学受験のためについてもらった家庭教師の秀明。志望大学に合格すれば“本番”が待っていると朔也は思い込んでいた。無事合格した日、思いがけない秀明の言葉に朔也はうろたえることに…。表題作「黄昏のマーメイド」に「偽・恋愛トライアングル」「不純愛ジェネレーション」に書き下ろし「未熟なカメレオン」を書き加えた、葵ゆきの愛の物語。
遠い昔、はるか彼方の銀河で…会見目前にしてコリオス星系に発生した恐怖の疫病“死の種”は、やはり組織的な陰謀によるものだった。拉致されたレイア・オーガナは、セティ・アシュガッドの屋敷でフォースを操るハット人ベルドリオンと、アシュガッドの秘書ズィムの会話から事件の真相を知り、自力で脱出を試みる。その頃、レイアのフォースに導かれたルークは新住民たちとともに、首都ウェグ・シャルを目指していた。しかしフォースの嵐吹き荒れるナム・コリオスには、フォースを操る第三・第四の人物がいた…。元首誘拐という最悪の危機を迎えた新共和国に、再び平和は訪れるのか!?『ジェダイの遺児』に始まる“カリスタ3部作”ここに完結。
親友・雷太と訪れた雀荘で、コスプレ美少女のニコと出会った大学生の悟。高慢な態度のニコを賭け勝負で打ち負かし溜飲を下げる…はずが、ニコはあっさりホテルに同行し、着衣プレイで悟を昇天させてしまう。ところが事後にニコが同性であるという驚愕の事実が発覚。屈辱感に苛まれる悟だったが、ニコと関わるほど、その言動の陰に潜んだ「愛されたい」という本心に気づかされ、惹かれていく。しかし交際を反対する父から、ニコは心臓の持病があり移植をしなければ永くないと知らされる。悟がお仕着せの婚約者と結婚すれば父の財力でニコを救うことができるのだがー。
「こころある」生き方の道しるべとなる上質のエッセイ集。
1933年、キング・コングがエンパイア・ステート・ビルの頂上で咆哮する。帝国主義の白い塔のうえで、黒い巨獣が見たものは何か?ヘミングウェイ、フォークナー、フィッツジェラルド。ギャング映画、ミュージカル映画、ドキュメンタリー写真。剥製術、優生学、民族誌学。カルチュラル・スタディーズの見る1930年代。キング・コングの見た帝国主義の長い黄昏。
1943年夏、ナチス・ドイツは急速に敗北への道を歩み始めた-。連合軍のイタリア進攻からノルマンディー上陸作戦、パリ解放、ライン川への進撃、ドイツの降服までを、『砂漠の戦争』の巨匠ムーアヘッドが、みずから戦争特派員として従軍した経験をもとに描く。第三帝国の崩壊とヨーロッパの解放をジャーナリスティックな視点から鋭く捉え、第二次大戦の真実の姿をえぐり出した戦争ルポルタージュの金字塔。
マレンはビデオソフトの製作会社フェスティバル・プロダクションの女性社長として、業界内で実力を認められている。しかし、評判の高さとはうらはらに、プロダクションの経営は苦しかった。そんな折、プロダクションの得意先であるレコード会社の社長カイル・スターリングが、思いもかけない話を持ちかけてきた。彼女の会社を買収したいというのだ。申し出を断れば、二度と仕事は回してもらえなくなるだろう。かといって買収に応じれば…。マレンは迷った。
古来の日本詩のリズムと現代の口語詩とのハーモニー。新たな詩の可能性に挑戦をした高校生詩人の処女詩集。
非情のスナイバー・ゴルゴ13、またの名をデューク東郷。劇画ゴルゴ13が、ファミコンに登場した。アクション・シューティング&アドベンチャーのファミコン版ゴルゴ13・第1章神々の黄昏。
秀吉の天下統一の烈風は、肥後の国にも吹き荒れた。理不尽な検地要請に始まった、隈部親永追討の火種は、やがて大きな炎となり、各地の城を焼き尽くした。多くの国衆たちは果て、追及を逃れたわずかの幸運な国人、家臣たちはいずれかへ行方知れずに消えるか、武人を捨て、僧、農民となるものもいたという。傲慢なまでの秀吉の走狗とされた佐々成政も、戦国の世に生きたがゆえの苦汁をなめたのである。
過去を振り返っても達成感はない。人生に行き詰まりを感じる初老の男に降ってわいた恋と仕事の成就だが…。
いま、都市を呼吸する。愛のかたちが、ひそかに変わり始めている!透きとおったリリシズムを湛える11の都市小説集。