本書では、相変態をともなう現象を「連続体力学」の観点から統一的に記述。つまり、力学、熱力学、金属組織学(相変態論)など異なった分野の、境界領域における問題としてこれらの諸現象をとらえ、「連続体力学」の手法を応用することにより、相変態過程中の材料の力学的挙動を追求。
本書は、複合材料の設計に携わっている方々ならびに材料力学を履修された大学院生を対象に、設計に必要な基礎知識としての異方性理論と力学的評価に有用な有限要素法プログラムについて記述したものである。
本書の第1部には、著者を煩わし、温度、熱流束、密度、濃度、速度の精度高い局所値を光、磁場、音波などの性質を利用してセンシング、信号処理、さらに、得られたデータを評価し、いかにわかるように見せるか、そのポストプロセッシングにまで実行の際の留意点にまで記述してもらえた。第2部では、ポイント計測から二次元、三次元への展開に画像をデジタル信号としてコンピュータに取り込むことによって様々なデータ処理ができることを利用している応用例を中心に記事を組んでみた。
本書は第1回日本肝臓学会大会にて演題選定委員により一般演題「示唆に富む症例」として選ばれた108題のうち、特に関心が高かった43題を選んでまとめたものである。まれな症例とともに最新の肝臓病学の進歩と発展に伴い生じた貴重な症例が取り上げられている。
紙業タイムス社は1976(昭和51)年以降、紙業タイムス誌に「ペーパー・セールス・エンジニアリング・シリーズ」と題して、紙・板紙の製造技術、品質、内外市場の動向などについて記事を連載し、連載終了時点で加筆・補正の後、『印刷用紙』、『白板紙・紙器』、『段ボール原紙』、『情報産業用紙』の表題で単行本を発行し、ご好評をいただきました。本書は、情報用紙に関する総合的な解説に力点をおき、市場に出回っている用紙を網羅するとともに、旧4書にあった情報化社会の到来、マルチメディアに係わる序論的な記述を省略したほか、加工、情報処理機器関連項目も用紙各論でシステムとして触れる形で簡略化しました。
主な補機の構造、作動、取扱いから特性や理論的な現象までを多数の図面で説明。流体機械、熱交換器、空調装置、油水分離機、油清浄装置、甲板機械、海洋生物付着防止装置等基本となるものから新しいものまで幅広く収録。
大学学部4年生が初めて卒業論文研究を実施するときにおいても、本書を熟読し、その教えるところに従えば、レベルの高い実験結果を得ることができるように解説。個々の研究室が保有している実験上のノウハウを本書を通して公にし、研究者共通の財産にする。誰もが容易に入手して使えるコンピュータソフトウェアを用いた実験結果の解析法を解説。できるだけ実例を用いて解説することにより、個々の実験法と解析法がどのように適用できるかをわかりやすく解説。取り上げる項目は、生体機能関連化学のみならず、化学一般の研究で広く行われている実験とする。
他の加熱形式では不可能に近い急速加熱・冷却や精密な温度制御が可能な「赤外線イメージ炉」。本書の第1章では、赤外線ランプと反射面の組み合せによる多くの種類の赤外線イメージ炉とその加熱法、標準的な性能が紹介されている。第2章ではいろいろな分野での赤外線イメージ炉の特長を生かした応用例が示されている。第3章ではユーザの方々による赤外線イメージ炉の実際に使用した研究成果の報告が各分野にわたって集録されている。
若いころに読んだ科学史の本の中に、研究は時代の流れの中で成り立ってきたという主旨の文章があり、深く共感したことを覚えている。著者自身に当てはめてみると、ダム建設と水温の問題に始まり、38.1豪雪をきっかけにした雪の調査、水環境問題の初期から多分野の方々と行ってきた湖沼水温や水収支、東京都の依頼が引き金になった都市水文、1990年代からはGISを取り込んだ温暖化や酸性化の問題など、時代とともに流され生かされてきた感が深い。このような仕事の中で、常に頭の中にあったのは熱収支と水収支である。著者は『日本の水』(1980年)の中で、「気候は水の母」と書いた。本書も、この考え方でまとめた。中には水だけを扱った章もあるが、全体として「気候ー土地ー水」という流れを汲みとってもらいたい。