近代科学の限界を考えるさい重要なのは、人間の自然言語の特性に関する言語使用問題の再検討ではないか。歴史の中の科学者とは何かを考えてきた著者の到達点。
航空機から自動車、ロボット、電子機器まで、現代では必須となった機械や装置をつくるために「機械材料学」は必須の学問である。機械材料に求められる要求はより高度になり、鉄鋼を中心とした金属材料のみではなく、高分子材料、無機材料、複合材料を学ぶことが求められている。そこで本書は、これからの学習者にとって最良の教科書となるよう、新しい知見を取り入れながら執筆された。前半で機械材料の基礎事項を理解し、後半で各種材料に特有な性質とそのメカニズムを学ぶことができるよう構成、加えて第2版では材料の腐食と防食に関する内容を追加。
本書は、気象学の基礎を初学者のために解説したものである。大気現象を空間スケール、時間スケール、発現する高度領域によって整理し、紙数の許す範囲でできるだけ多くの現象を取りあげて記述し、そのメカニズムを説明した。
“カルノーの原理”で知られるサヂ・カルノーは、その理論と意義を、1824年に『火の動力、および、この動力を発生させるに適した機関についての考察』として出版した。本書は、その『考察』に加え、遺された研究ノート、弟イッポリートによる伝記、訳者による『考察』の歴史的背景を論じた「解説」を付す。産業革命が進み、蒸気機関がますます利用されるなか、その働きの理論を一般の人々に向けて執筆し、熱力学の出発点となった古典。
本書は、現在の化学工学系のカリキュラムを徹底調査し、限られた授業時間でも、学生が化学工学ならではのアプローチ、すなわち「課題解決のためのアプローチ」を理解できる構成を試みた初めてのテキストである。
材料、装置、そしてプロセスの設計は文章では行えません。数学が強力な武器となります。本書では、化学工学を学ぶうえで真に必要不可欠な数学を紹介します。
岩石を光が透き通るぐらいに薄く研磨した“岩石薄片”を顕微鏡で観察すると、そこには鉱物が織りなす色鮮やかで美しい世界が広がっています。岩石薄片を観察することによって、含まれている鉱物などから、岩石の生い立ちと移り変わりを知ることができます。灼熱のマグマ、地下深部の高圧、深い海の底のできごとが30マイクロメートルの厚さに詰まっています。本書に掲載した薄片は、世界でも最高水準の技術により作製されていて、ほかでは見ることができない貴重なものです。岩石、鉱物についての解説も充実した、価値ある一冊です。
本書は、著者らの経験を踏まえて、最初から高度な知識を求めるのではなく、多少大雑把であっても本質を把握するように、できるだけ簡潔にストーリーをもたせ、詳細については注釈や例題を設けるなど、工夫して書かれている。
「女性は自然の奇形である」としたアリストテレスに始まり、女性の性質に関する科学的な興味には長い歴史がある。しかし、ヴィクトリア時代(1837-1901)に興隆した性差の科学ほど、誤謬と偏見に満ちたものはなかった。当時の科学者や知識人たちは、解剖学、生理学、進化論的生物学、自然人類学、心理学、社会学など、最新の学問の成果を駆使して、女性は男性より劣っていることを必死になって証明しようと試みたのである。すなわち、「女性は未熟な男性」で、「一種の未開人」として位置づけられる…。本書はこうした性差の科学を豊富な事例とともに分析し、世紀末の科学思想、社会思想の背景にあった人間のヒエラルキーの虚妄をあぶりだした一書である。
製造装置の構想・構成から、検査・想定・解析装置まで。製造装置の現状と進歩が図解でよくわかる!
若者の科学の目を養う名講義。物理学による“学びのアップデート”!情熱的で語りかける記述を通して、物理的なものの見方が身につく!「物理学のための物理学」にとどまらず、学び方・世界観を大学仕様に変革!熱力学や量子力学など、発展的なトピックも収録。本質的な理解への一歩!
「エントロピー」の誕生は難産だった。熱の動力をめぐるカルノー以来の苦闘をへて、熱力学はやがて第1法則と第2法則を確立し、ついにエントロピー概念に到達する。マクロな自然の秘密を明るみに出したそのエントロピーとは何か。「エネルギーの散逸」とのみ捉えられがちな誤謬を正しつつ議論は進む。第3巻は熱力学の完成とその新たな展開。マクスウェル、トムソンらの寄与とクラウジウスの卓抜な総合化、さらにギブズの化学平衡論により制約因子としてのエントロピーの本性が明らかとなってゆく。論文・書簡を含む多くの原典を博捜して成った壮大な熱学史。格好の熱力学入門篇。全3巻完結。
日本熱処理技術協会は、1960年に創設され、「限りある資源を大切に、材料を活かして地球環境に優しい熱処理」「熱処理する立場から熱処理品を使う立場までを考えた熱処理」を念頭に、機械部品の熱処理の基礎・応用から最先端までの研究・調査・教育・国際交流などの活動を行っています。「熱処理ガイドブック」は、この理念をもとに各種セミナーで幅広く利用されてきました。今後もご愛用頂くために、時代の変化や改正された規格を考慮して細部を見直しました。ぜひご活用下さい。