本書ではエントロピー論を用いて経済学批判をおこなった。エントロピーとは熱力学の概念で、経済活動でもたらされる物質やエネルギーの劣化の指標として経済学は利用できる。常識で考えれば有限な地球の上で経済が無限に成長することなどありえなった。持続的な経済社会の建設に向けてまず必要なことは、経済学者が論じる「成長」が非科学的な産物であることを証明することであり、本書ではその証明に全力を注いだ。
工学への応用を念頭に、熱力学の考え方と応用に注目して解説した教科書である。熱力学の第1法則および第2法則からエントロピーまでの基本的概念と理論からはじめ、各種の熱力学関係式、さらに自由エネルギーまで、様々な応用例をあげながら説明する。式の詳細な誘導や具体例は演習形式で説明しており、考え方や応用のポイントをとらえやすい。工夫された多くの図は定量的で正確であり、内容を正しく理解するのに有効である。
静かな感動を運んでくれる端正で透明なルガンスキーのベートーヴェン
ベートーヴェン・イヤーだった2020年に、ルガンスキーはハルモニア・ムンディ・レーベルからベートーヴェンの後期ピアノ・ソナタ集(第28、30、32番)をリリースし、レコード芸術誌で特選に輝くなど高い評価を受けました。それに続く第2弾は『月光』『熱情』『テンペスト』という人気作3篇を集めた好企画。誰もが聴きたいと思われるはず。
ルガンスキーの『月光』と『熱情』は2005年録音の音源がワーナーからリリースされていますが、こちらは2021年7月の最新録音で、16年を経ての円熟ぶりが実感できます。さらに『テンペスト』は初めてでとても期待できます。ルガンスキーの演奏はあくまで楷書的で正確ですが、ロシア・ピアニズムならではの技巧と豊かな音が独特。ベートーヴェンでイメージされる重厚とか熱烈な世界ではなく、透明で端正な音楽を楽しめます。『月光』で左手にアクセントを付けメロディのように浮き出すのも興味深く、『テンペスト』のフィナーレも絶美です。(輸入元情報)
【収録情報】
ベートーヴェン:
● ピアノ・ソナタ第14番嬰ハ短調 Op.27-2『月光』
● ピアノ・ソナタ第23番ヘ短調 Op.57『熱情』
● ピアノ・ソナタ第17番ニ短調 Op.31-2『テンペスト』
ニコライ・ルガンスキー(ピアノ)
録音時期:2021年7月
録音場所:ヴェローナ、リストーリ劇場
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
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