2005年ザルツブルク音楽祭の最大の目玉となった「椿姫」。やはりネトレプコのヴィオレッタが圧巻だ。恋に命を賭する女性の激しい心情の変化を赤裸々なまでのリアルさで描き、聴き手の胸を揺さぶる。ビリャソンやハンプソンとの迫真の応酬もドラマティック。★
兵庫県出身の姉妹デュオ、レ・アールのファースト・アルバム。姉のSumikaが詞を書き、妹のYukaが曲を作るというスタイルを取っている。しなやかでロマンティックなポップスを、姉妹ならではのハーモニーで聴かせている。
異色の世界観で話題を振りまいた人気PCゲーム『グリーングリーン』の、TVアニメ・シリーズの企画アルバム。『グリーングリーン』の世界観をサウンドで完全再現している。
ペ・ヨンジュン主演で話題の韓国映画のサントラ。不倫の苦しみを描いた作品をオーボエやストリングス、ピアノなどが叙情的なサウンドで彩る。2部構成で第2部にはLOVE HOLICやSなど韓国の人気アーティストが参加。セリフを挿入したパートも収録、DVD付きと大満足の内容。
デュティユー(1916〜)は今やフランス音楽界の最長老だが、メシアンのエキゾティシズムやブーレーズのセリエル的前衛主義と比較すれば、最もフランス的な伝統にのっとった中道を歩んできたといえる。それを再認識する上でも、またフランス現代音楽の“名作”を探る意味でも、彼の管弦楽の主要作品が収録された本アルバムはまことに有益。最初期の「檻」(世界初録音)を収め、ケラスやシャルリエなどの豪華なソリスト陣、それにシャープな解析力で切り込む指揮のグラーフなど演奏のクオリティがすこぶる高いのも魅力。
鈴木美登里やマグダレーナ・コジェナーらを擁し、長い年月をかけて獲得した熟達した演奏を繰り広げている。なんらの誇張もなく自然な流れを作り出し、瑞々しい新鮮なバッハを創出している。