バレンボイムは88年以来バイロイト音楽祭で「指環」の指揮をとっており、この「神々の黄昏」が91,92年の上演による全曲録音の完結編となる。“ワーグナー指揮者”としてのバレンボイムの最近の充実ぶりを伝える、幅と深さをもった演奏である。
ノーマンが、大歌手としての地位を固め始めていたころの録音。知性的で深々とした声は、ワーグナーのオーケストレーションにも一歩も引かない強靭さがある。ノーマンとテンシュテットによる至福のひと時。
81年に結成され、日本はもとより米英で高い評価と人気を得たガールズ・ロック・バンド、少年ナイフのベスト・アルバム。メンバーによるアルバムからの自選サイドと、ミニ・アルバムやシングルから選曲されたレア・サイドの2枚組だ。
スル・ポンティチェッロが用いられた序曲ですでに期待度は大。各所にちりばめられたアジリタやフィオリトゥーラ(早口や装飾的な歌唱)の巧みさや、ハイ・トーン、声色などに興奮しているうちに一気に聴き通してしまう。第1幕最後の合唱や、有名な最後のアリアもとにかく最高。★
EMIに残されたマリア・カラスの激唱が最新リマスタリング技術で蘇るオペラ全曲シリーズ。まさにカラスの十八番。歌姫「トスカ」ほど、カラスにふさわしい役柄はないだろう。
韓国出身シンガーと大阪出身ヒップホップ・チームの異色コラボ。Kのナイーヴ&メロウな歌声がやんちゃで頼もしいET-KINGのラップとがっちりシンクロ、てらいのない率直なメッセージ・ソングとなった。ピアノが印象的な「NO WOMAN,NO CRY」は、ボブ・マーリィの名曲をカヴァー。
SNSやYouTubeから火がついたスウェーデン出身のダンス・クリエイターのデビュー・アルバム。すでに英国ではシングルが何週もナンバー・ワンになる大出世を果たしたわけだが、日本では“空耳”な部分で注目されている。怒涛のテクノ・サウンドからあふれ出る空耳には驚き。