/昭和に普通にあった物

座面がまるくて回転するタイプのピアノ椅子。
なんともいえない色合いのゴブラン織りの布張りで、外周にぐるっと金色のフサがついていた。

応接間の革張りソファにかけられた、白くて裾にフリフリのついたカバー。

ビニール袋に錠剤が入っていて、端っこをハサミで切り落として使う防虫剤。
衣替えのあとしばらくの間は、服から防虫剤のにおいがした。

土足禁止の車が去ったあとの駐車場に、脱いだ状態で忘れられた靴。

表面が細かい筋状になっていて、角度を変えると絵がちらちら変わるプラスチックシート。
駄玩具のなんちゃってテレビ画面などに使われていた。

でんぷんのり。
なくなったわけではないが、事務用などで普段使いしているところは見なくなった。

ゴム製の消しゴム。
プラスチック消しゴムが出てきたとたんに、あっという間に見なくなった。

引き出物用の折り鶴型の紅白角砂糖も見た覚えがあります。

和式便器にかぶせて使う子供用アタッチメント。
なんちゃって洋式にするタイプもあった。

三斤入りの食パン。
あと、それを目の前で好みの厚さにスライスしてくれるパン屋さん。

いつお客が入っているのかわからない、さびれた薬局兼化粧品屋さん。
店先のガラスケースに並んだ瓶の中身は、ずっと置きっぱなしでちょっと色が変わっていたりする。

真っ赤なサクランボのシロップ漬けが乗った、緑色のソーダ水。