『バイエルの謎　日本文化になったピアノ教則本』安田寛　音楽之友社
ピアノ教室に縁もゆかりもないわたしですら名前は知ってる「バイエル」(という教科書)についての研究と冒険(だと思う。)。
・バイエルは人名。この教則本を作った人だけど、ドイツの音楽辞典の数行の記載以外は、日本のマンガ偉人伝的な本しか伝記的なものがなく、しかもその偉人伝はほぼ創作というくらい謎の人。
・日本で長きにわたって隆盛を誇り単語として定着したバイエル教則本を日本に持ち込んだのは、誰でいつでどういう意図だったのか。なぜこの本が選ばれたのか。
・番号曲と無番号曲のバランスその他が非常に無秩序なのはなぜか
・なぜ変奏曲ばかりなのか
等々のバイエルにまつわる謎を、アメリカやドイツ等現地に飛び回り、実物資料にあたって探った記録。だんだんインターネットが資料探しの手段とし入ってくる描写も。
最大の謎が偶然の産物で解ける奇跡とかあります。
ちょっとバイエルを一番から順番に聞いてみたくなった。