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小説のことを語る

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 熊本に帰る。
 歌仙が突然そう言いだしたのはそれから数日後のことだった。
 光忠が、僕ここにいないほうがいい?邪魔? と尋ねた。歌仙は、べつにかまわないよと鷹揚に微笑んだ。
「俺も行く」
「そうだね。大学を卒業したらおいで」
 歌仙は穏やかな声でこたえた。
 そして、いちど俯いてから口にした。
「僕は長谷部と、君の叔父さんといちどちゃんと話し合いたい」
 ゆるしてくれるかい、と首をかしげられた。広光は、拙い独占欲を受け入れてくれた相手へと深くうなずいた。