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初夢のことを語る

どこかの大きな駅の地下コンコース。
夜明け前でだれもいないのに真っ赤な大型のハードキャリーと紺色のボストンバッグが通路の真ん中にぽつんと置いてあってどこから来たのかしらと訝る。
エレベータで地上にあがろうとすると小さな車椅子に乗った女の子がきたので乗り降りを手伝う。
が、地上に着くとその子はにやっと笑って膝に懸けた毛布を払い落とす。すると車椅子と思ったものは腰から下に癒着した一輪車で、その子は優雅で鋭敏な身振りでさっと走り去る。
がらんとしたビル街が少し白んでいる。