窓際の亀と一緒に目を閉じて石となる午後花は散り初む
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短歌のことを語る
短歌のことを語る
骨董屋 花の土鈴が鳴るを待つ 花は等しく奴隷なりけり
短歌のことを語る
鴨川に遠近法など捨て払いあなたのことが描ければいいのに
短歌のことを語る
白川のはじまる橋をくぐり抜け水は南を告げて流るる
短歌のことを語る
やがて来る人をひそかに待つ花は闇に弾けるポップコーン
短歌のことを語る
千円のカットを躊躇う寂しさよ寂しいのは財布ではない
短歌のことを語る
染料の匂いふりまきスカートの襞をよろこぶ四月かな
短歌のことを語る
明け空の虚をひたすらに射る強さハクモクレンに倣いたり
短歌のことを語る
恋猫の陰を朧に照らしたりハクモクレンの灯りかな
短歌のことを語る
色失せし匂うような人さえもたかが六年されど六年
短歌のことを語る
式典の嘘に負けじと飾る子のニーソミニスカスパンコール!
短歌のことを語る
紅白の花をくぐりて向く顔に残る涙のあととおさなさ
短歌のことを語る
湯を沸かし眠りの足りない四肢急かすコーヒーごときで効かぬか春よ
短歌のことを語る
街に出てスポンジひとつ買いにけりカプチーノってなんだったっけ
短歌のことを語る
春一番連れてゆけよと銀色のシンクに溜めた水を放す
短歌のことを語る
静く夜 部屋に漏れ出す 音はただ
ノイズ混じりの ラジオの音色
短歌のことを語る
三日月の 膨れ行く度 想いを馳せる
再び君に 出会うその日を
短歌のことを語る
闇の中 冷たき雨の 通り道
降りし雫は いつの涙か
短歌のことを語る
踏み出せば地球がまわる勢いに飛ばされそうな啓蟄の風
短歌のことを語る
ひそやかに 夜の逢瀬で 手をつなぐ
そのうしろ姿を 月がみている