まっすぐに熟れゆく桃の薄皮を一息で剥ぐ梅雨は明けたり
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短歌のことを語る
短歌のことを語る
鉄塊で切り取られたる青空はエスカレータの速度で流るる
短歌のことを語る
吹き抜けを昇る男の背に聴こゆジングルベルは祇園囃子に
短歌のことを語る
青嵐に身じろぎできぬ小鳥かなきみはきみの風を待つなり
短歌のことを語る
紫に躊躇い刷きしペディキュアを覆う夏場の40デニール
短歌のことを語る
水蜜糖眠る産毛のつめたさや撫でて秘密を逆立ててみる
短歌のことを語る
やわらかなポリプロピレンの繭いでし桃の冷肌二の腕に沁む
短歌のことを語る
四十来て子の服を縫う待ち針の色を選ぶに迷いぬるかな
短歌のことを語る
蓮池や雨を受く掌(て)の大きさよ濡れて翡翠の色を濃くする
短歌のことを語る
天上に我を運びし音の舟酔いどれてみたい今日は七夕
短歌のことを語る
青花の 名は知らねども 青は青 海と空とこの星の色
短歌のことを語る
七夕や夕立雲を撃ち破る船の汽笛は星を呼ぶなり
短歌のことを語る
朱から黄へさくらんぼの空透けるとんどこまで甘いのすこうし苦いの
短歌のことを語る
桜桃忌恋を乞うてや鳴く蛙さくらんぼでさえ手を繋ぐかな
短歌のことを語る
ありふれたこの肉塊を照らし出すショーウィンドウの夏や眩しき
短歌のことを語る
蛍火や宛てなき恋を宙に描くタイムリミット刻みながらも
短歌のことを語る
まな板にほこりのように積もらせて指でなぞるは愛D like to
短歌のことを語る
見えずともゆくべき道を知るという蝙蝠となりきみに逢いたし
短歌のことを語る
きみに続くあらゆる理路は閉ざされり分けゆく獣は蛍を狩るや
短歌のことを語る
腹のそこコールガールの黒に勝ちコールタールの熱を持ち