栗色や木の実のように真っ直ぐに落ちたくもあり髪染めながらも
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短歌のことを語る
短歌のことを語る
吹き上げる崖のとっぽで石となる木の葉を眺める鳥を夢見る
短歌のことを語る
輝けるこの三日月に釣らるるは幸せかとや鯖を煮居(お)り
短歌のことを語る
なにごともなき空に鰯雲(いわしぐも)かつぶし知らぬ猫もありや
短歌のことを語る
団栗に突(つつ)かれて見る夕空は端から闇に転げ落ちゆき
短歌のことを語る
杯は蛸ウィンナーの山を越ゆその哀しみの山を越ゆ
短歌のことを語る
ぬる燗やおにぎりにした悲しみの白さばかりが眼に滲み
短歌のことを語る
偽りと知りても美味(うま)し松茸よまったきことの世になかりせば
短歌のことを語る
汐かぶる銀の刀(かたな)のきっ先に指を喰はれてみる女かな
短歌のことを語る
瘡蓋を剥がさむ風や何処へかコスモスの波白くたゆたふ
短歌のことを語る
海臨む三角屋根に光見て三歩ののちに雷(いかづち)聞きぬ
短歌のことを語る
段々のドングリ踏んで蹴上がって拍手がわりに狛犬ハグして
短歌のことを語る
時を待つあの里山のもみじ葉のいろが早いか君が早いか
短歌のことを語る
虚を突かれ闇に見入れば木犀のちいさき星や砕け散るかな
短歌のことを語る
月走り雲追うさまを傾げ見るでんしんばしらは繋がれて居り
短歌のことを語る
捨てあぐね電信柱の指す空に片手の星と明日を拾いぬ
短歌のことを語る
田に稲を思いつつ来る東風(こちかぜ)にさかしま望み細笛を聴く
短歌のことを語る
肩車されて拾いし飴色の殻は夏のわすれものきみの笑顔が思い出せない
短歌のことを語る
蓋開けば白きけぶりのたなびきて鍋に芋の月や光りぬ
短歌のことを語る
流行の色をも知らず暮らせども秋は素足に忍び寄りけり