戸を開ける呪文はひとつタルトタタン雪のかわりにりんご降り積む
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Tips:引用記法:>>(大なりを二つ)で始まる行は引用文として扱われる。
短歌のことを語る
短歌のことを語る
夜回りの闇に蕾の群れ発ちぬ音も色もまだ無き春あり
短歌のことを語る
夜回りの闇に蕾の群れが立つ音もなしに色もなしに
短歌のことを語る
打ち鳴らす夜回りの空に蕾あり春めくを知る凡眼を知る
短歌のことを語る
十五年安らかに寝る乳飲み子を抱えて迎えし朝も遠のき
短歌のことを語る
雪篭り集ひし子らの弄ぶ蜜柑の数も減るこたつかな
短歌のことを語る
寒椿命ひととき眠らせる雪のなかにも紅や冴えたり
短歌のことを語る
こなゆきや灰かぶりたる白鳥の子は初めてに惑うてか
短歌のことを語る
絶対といふことの世に無きを説くきみの言葉や哀しき「ゼッタイ」
短歌のことを語る
青空に逆上がりするシャツ見やるあなたの強がり思い出してる
短歌のことを語る
池の鯉おびき寄せてもかなしけれ人はパンで生くるものなり
短歌のことを語る
粉雪のベール纏えばやさしかりつんつく松の葉あなたの言葉
短歌のことを語る
言えぬまま「意地悪」詰めたスピーチバルーン弾けぬように飛ばさぬように
短歌のことを語る
舞い降りる幾千粒の雪の音ささめくほどに黙したる海
短歌のことを語る
短歌のことを語る
松明けて一人居戻るゆきぞらに虹彩分けるちから希ひぬ
短歌のことを語る
松の内終える蜜柑の乳房より軽きをひらいて花とするなり
短歌のことを語る
終止符は無音で転がり続けをりガーターもなくフラットな此処で
短歌のことを語る
娘(こ)を打った掌(て)に柔らかさここだませりいと深き谷この30センチ
短歌のことを語る
皸(あかぎれ)は場所を寸分間違へず訪ひたりてまた聖夜来る