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短歌のことを語る
短歌のことを語る
失くしたということだけをかたりをり神の戸の山隠す花影
短歌のことを語る
二杯目を注がれて気付く珈琲の水面にも咲く櫻花花
短歌のことを語る
花びらも人もざわめく川べりにトランプ並べる恋初々し
短歌のことを語る
ようやくの春を櫻に語りけり貴女もそうなの私はそうなの
短歌のことを語る
夕闇の青の滴を落としけり白鷺城に鷺さえざえと
短歌のことを語る
乙女らの花より軽き笑い声水面ふるわせ堀を渡れり
短歌のことを語る
バスを待つ人に隠れてふきのとう振り乱してもいのち延ぶかな
短歌のことを語る
花筏もろき背水にあづけても仰ぎ観るなむ京の月なら
短歌のことを語る
な迷いそきみの衣の花筏わが衣手の水にのせなむ
短歌のことを語る
ちろちろと馬酔木かんざし雨粒に紅滲ませて宵を待つかな
短歌のことを語る
三月に生まれて花を愛してる偶然だろうと必然だろうと
短歌のことを語る
焦がされて土匂い立つ星を踏む纏足の群れそのなかの我
短歌のことを語る
失って気付く魔法のありがたさ兄の遺品のレンジ止まりぬ
短歌のことを語る
立ち枯れと思ひし枝を手折るれば緑の背骨を隠し持ちけり
短歌のことを語る
さがしもの穴から出(いで)し啓蟄やきみのセリフはぐりぐらぐりぐら
短歌のことを語る
十年を主と篭りしヴァイオリン三弦で弾く荒城の月
短歌のことを語る
カーテンにあふるる蔓は手を伸ばし何を求めて風に吹かるる
短歌のことを語る
なばなよりあかるき月の咲く空を猫は何処へ駈けてゆくかな
短歌のことを語る
「ももいろ」という柔らかきに恋をして鸚鵡となりしクレパスのころ