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連続はてな小説のことを語る

「こ、これはジブリ…」とわかっていつつも、つい「ドロロンえん魔くん」の雪子姫を思い出す三郎だった。
*雪子姫が飛んだかどうかの記憶は定かではない。

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その隣に池谷(兄)が三点倒立をしているのも目にしてしまった。

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もしかしたら自分は、コラトラ峠にも向かっておらず、雪女も追ってはおらず、いつのまにか只くるくると螺旋を描いて上へ上へと登っているのではないだろうか?あの甘口いちごスパを飾る生クリームのように…。

透き通った鈴の音に妄想は断ち切られた。冷や汗に濡れた首を拭って顔を上げると、焼き印も読み取れぬほどに使い込まれた木杖が縁台に立てかけられていた。

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 ……そんな台詞がラジオから、ドラマ仕立てのCMとして流れていた。
 
「そういやロールちゃん、最近食べてないなぁ」
 ひとりごちて残された遺留品――写真とマッチを手に取った。
 
 写真は古めかしい旅館の写真で、一目ではそれがどこのものかわからない。
 マッチはといえば、さっきは側面の電話番号が目に付いたが、手に取ってみると、
赤地に白文字でハッキリと書いてあった。
 
 『喫茶 マウンテン』
 
 その文字を見た瞬間、先ほどの三郎と雪女が食べた量と、マウンテン登山での
あの量が思い出され、胃液が逆流しそうになった。

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「鮫のヒレは切り取ってもいいが、ロールちゃんの耳は切ってはいけないという根拠でもあるのかね」
男は皮肉な笑みを浮かべて言った。
「フカヒレが許されるならロールちゃんが許されない法はない」

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無我夢中で食べ終わると、隣に女性客がいた。彼女も先ほどの三郎に劣らず猛烈な勢いで鶏鳴ラーメンを食べていた。
どことなく母に似た面影-雪女だった。

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ふー ふー
ずずっ ずずーっ 
はふっ もぐもぐ はふはふ もぐもぐ
ずずっ ずずーっ
はふっ もぐもぐ はふはふ もぐもぐもぐ
ずずっ ずずーっ ずーっ ずーっ
(顔をあげて額の汗を拭う)
ふー ふー
ずずっ ずずーっ 
ちりーん(風鈴の音)

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ところどころ天板のめくれた長机はがたついている。年季の入った麦茶のヤカンは汗をかいて、どこかで風鈴が鳴っていた。

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喜市「函谷関まんじゅう〜、函谷関まんじゅう〜、ふかしたて〜♪ こしあん〜、しろあん〜、うぐいすあん〜♪ なんきん〜、からいも〜、ずんだあん〜♪ 函谷関まんじゅう〜、函谷関まんじゅう〜、ふかしたて〜♪」

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関☆羽「それでは、こういうのはどうじゃ。ただ同然で粗暴な旅芸人に売られた少女、道化をしながら続けるたびにささやかな幸せを感じていたのだが…」
三郎「やめて!ジェルソミーナのHPは0よっ!」

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「では、その酒と饅頭と、他になにか肴があれば貰おうか」
どっかと腰を下ろし、やつぎばやに杯をあおり始める。やがて運ばれてきた肴の類も瞬く消える。鯨のように飲み、馬のように食らうとはまったくこのことで、梁山泊の豪傑もかくやという、三郎の飲みっぷり、食らいっぷりであった。

半刻後。
「食った食った。満腹だ。さてお勘定…」
『20,819円になります』
「うむ…。…む……むむむ、諭吉さんが一人しかおらぬ。VISAは使えるかな?」
『はい。お支払いは一括でよろしいでしょうか?』
「……待て、店主!この店は外とは隔絶しているという話ではなかったかな?どうしてクレジットカードが使えるのだ!?」

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「げぇ!関羽」まではハイクで覚えた三郎だったが、大人なのに三国志には疎かった。

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「なンということだッ!」スマホを袂にしまい、顔を上げた先に小さく赤いものが見えた。かなり遠くではあるが峠の茶屋ののれんである。
「茶屋か…。無線LAN、或いは、Wi-Fiがあれば…。」

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天下の難所として名高いこらとら峠の道は噂に違わぬ険しさであったが、三郎には成算があった。それは、雪女のはてなココをたどるという手であった。
ラジオ体操で鍛えた健脚で、黙々と雪女を追った。じんわりと汗が滲んできた。

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冷房の設定温度が26℃になっていた。このご時勢にまったく豪気なことである。

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「へっくしょい!」

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レイディオ体操に浮かれ踊る村人の中で、ただ一人、三郎だけが雪女に気づいていた。

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「ほほぅ。これが“レイディオ”なるものか。一度此れが鳴り出せば、者皆斯様に踊り出す。面妖なり面妖なり。」

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「菊川怜がさほど美しいとは手前でもには思えませんで。えぇえぇ、街道辺りではそのように噂されてはおりますが、手前といたしましては雪女ならもうちょっとこう透明感のある、細面の…例えて言うなら椎名林檎…」
「ええい!おぬしの女人の好み等聞いてはおらぬわ!」

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未明
灯りもとらずに出立の身支度をしていると、旅籠の主人が慌ててやってきて、昨夜半からの雪で今日の峠越えは無理だと私を諌めた。夜明け前だというのに表は妙に明るく、屋根から落ちる雪の音もない。私は蓑をかき抱くようにして深く身をうずめた。