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今日のダンナのことを語る

出張続きの接待続き。「痩せたい」というLINEが一行だけ来たので電話した。

「いまどこ?」
「ホテル」
「今日も飲んだの?」
「今日はひとりで飲んだ」
「痩せたいんじゃないの?」
「ひとり飲みというのをやってみたくて、コンビニでワインを買った」

そこは店で一杯だけ飲めよ。

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今日のダンナのことを語る

就寝時の暑さ、寒さに無頓着で、布団を蹴ったあと凍えていることがよくある。

縮こまって寝ている。
「寒いの?」
「わからない」
布団を足したら寝息が深くなった。

布団を蹴飛ばして寝ている。
「暑いの?」
「わからない」
薄掛けに替えたら寝息が深くなった。

ガバッと起きて布団をベッドの下に落とし、「よし!」と納得してまた眠り始めた。お腹さわるとひんやりしている。よくねえよ。

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今日のダンナのことを語る

接待続きで前後不覚なまま寝室へ行く日々。

一昨日シーツを替えたベッドに布団をかけるのを忘れていたので、もしやと思って見に行ったら何もかけずに寝ていた。

昨日は忘れずに布団をかけておいたが、見に行ったら掛け布団の上に寝ていた。

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たったいま仕事から帰ってきた。

たぶん七時前に出勤する。

アニメーターか。

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朝、起き抜けに
「芽吹くヒマワリのポーズ!」というのを披露してくれましたが
どう見ても道頓堀のグリコの看板でした

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鴨さん同伴ならきっと楽しかった。

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チーズフォンデュが気に入らなかった模様。

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スイスにいる。

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「はてこが稼ぐようになったら俺はダメ男になって不幸のバランスとってやるばい」
「わたし実家でだいぶ苦労してるから不幸はいらないから」
「冗談。冗談ていうか、安心させようと思って」

安心できない。

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「『真昼の決闘』っていう映画を観たいの」
「バキューム犬?」

いや、違う。

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「そんなに俺のことが好きかなのか。誰だよ」

くしゃみした後で。

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「宝石店の広告みたいだな」

友人が4℃の指輪を婚約者に贈ったことを覚えていた。

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「人の話を黙って聞くにはどうしたらいいと思う?」
「スマホ片手に『ああ、うん』」

生返事最強。

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妻が一人旅を計画。

「普通の人の家に泊まる『airbnb』を使ってみようかと思っ…」
「はあっ?!駄目に決まってるだろ!何考えてるんだ!馬鹿か!!」
「まだ話してるでしょ?東京は宿泊費が高いから外国人も利用し…」
「馬鹿か!ドミトリーなんか絶っ対に駄目だ!!そんな鍵もかからない部屋なんか許さない!!!」
「怒鳴らないでよ!ドミトリーじゃないの。個室とかルームシェアで」
「駄目だっつてんだろ!!!馬鹿か!!」
「いい加減にして!怒鳴らないで!!怒るよ!」
「あーごめんね。はてこさん怖かったね。でもダメだからぜったい。とんでもない」
「うちでもや…[全文を見る]

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「600m 先、右折専用レーンがあります。十分ににご注意ください」と言うナビ子に「やだ!」と口答えしていた。言うことを聞け。

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「もちおは女の人が全般的に嫌いなんだと思ってたけど、違うんだね」
「それは違わないよ?」
「だってはてこ以外の人にどぎまぎすることあるんでしょ?」
「っ…それは…ある…でもそれはすきとは違うんだ!」
「わかった!『惚れた女は数知れず。愛した女はお前だけ』ってやつか!」
「いや、惚れてないから」

誠実に返答しようと一生懸命。

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「シャーロック・ホームズの推理って『そうとは限らなくない?』っていうの、多いと思わない?」
「俺はあいつは超能力者だけどそれを隠してでまかせ言ってるんだと思って読んでた」

そう来たか。

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「セ・シボンってなに?」
「川にいるやつだろう」
「川?」
「それはクラムボンだよ!」

遠いよ。

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「もちおは事務員さんの話になるといたたまれない雰囲気になるねえ」
「え?そお?」
「…」
「…」
「まあ、いいよ。わたしも男友達はいるし」
「そうだよ!そうだよ!」
「そういう存在なの?」
「そういうって?」
「夫にやきもち焼かせる要員?」
「…」
「ハイクも楽しみだねえ」
「あ、そうだ。俺ハイク見よっと」

事務員さんシリーズ、意外に長引きそうな予感。

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「若い女性がいると職場が華やぐねえ」
「若いとは言えないよ、若いって言うのは24、5だろ」
「じゃあ言い直すよ。妙齢の女性がいると職場が華やぐねえ」
「あ…うん」
「もちおは事務員さんの話になるといたたまれない雰囲気になるねえ」
「え…?そお?」

熱い沈黙を乗せて車は西へと走り続けるのであった。

つづく