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短歌のことを語る

うそつきはにんげんのはじまりだから銀のフォークをぴかぴかにする

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短歌のことを語る

あどけなき帝のような門を背に波の音にも「入水」を聞きぬ

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短歌のことを語る

幽霊を芒に見るほど弱くないゾンビ映画は無理だけれども

ほんとです

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短歌のことを語る

まっ白な皿に過ぎないはずでしょう三十一文字が置けるだけの

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短歌のことを語る

赤い羽根ちくりと刺してたしかめる
毟り取って生きていること

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自由:捨

指環ごと海に投げてしまったら最終話だけど人生は続く

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5雷

やさしさは避雷針になりがちで薄着になるのがすこし怖くて

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3ぼたん

きみの手で朝に夕に触れられるぼたんでさえも持つ特権
(今回の新刊あわせで二次創作的に詠んでみた)

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2あま

断ち切った雨を見ている砂漠ではあまやどりってたぶんできない

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1草

ご機嫌をうかがうように傘を差す仕草がすきだ雨よ降れ

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丸腰でいばらを抜けてゆく鳥の剣のごとき線に射らるる

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ツアーバス源氏憎しと語られて男の貌をまじまじ眺むる

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船窓にみるみる近づく水天宮は
母を迎える幼子に似て

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短歌のことを語る

海峡の風に消されておはようも聞こえぬままに朝のコーヒー

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花街の跡に花屋がひとつ在りあとは朝顔方喰野芥子

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独り来し水天宮の石段は水底へつづくこともなげに

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閑としたまひるの裏道タキシードきめこむ鶺鴒(とり)のあとを追いゆく

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あかうまに突き立てられしサーベルもなけなしの櫻(はな)咲かせをりしか

最終形です

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中濃と間違えとんかつソース買ふ
気付く刻(とき)にもいろいろあるよね

ごめん、ふざけたw

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短歌のことを語る

あかうまに突き立てられしサーベルもなけなしの花や在りしか

かな で結ぶのがあんまし好きちゃうので どうかな(しつこい)