/俳句

岩陰に鯉の集まる余寒かな

風鐸の搖れて笹鳴る春の寺

あみだくじのごと乗り継ぎて春の海

冬天や自転車落ちてくる階段

冬天や倒木の根の獣めく

凍鶴のぴしと皹入る夜なりけり

寒牡丹犬の眼の色悲し

鳰一羽水面を乱し消ゆ

松過ぎてシティポップの喫茶店

頬かむりより湯気たちぬ浜の市

井戸ポンプ嘶くやうに寒の水

鼻で知るロウバイの香と春隣

遺されしオパールの値は小匙ほど

*無季　雑誌落選句

風花や欠け穿ぐままに魚鼓（ぎょく）の腹

みかん句会落選句〜

父母を恋ふればおでん喰ふごとく

みかん句会落選句〜

休日にインフルエンザ恨めしく

待春の庭に牛乳パック干す

籠の猫見る人を見る寒の明け

紅梅へ足音寒きより来る

鬼は外眷族隠るる猫ちぐら